今回は、企業が行なっている確定拠出年金についてわかりやすく解説したいと思います。
みなさんの会社でも確定拠出年金の導入したりして、銀行の方が説明をしに来たりしているのではないでしょうか?
しかし、説明を聞いてもはっきりいって全然わからん・・と言う方もいらっしゃると思います。
そりゃそうですよね。なんで確定拠出年金なんてものがあって、会社が導入しているのかもわからないですから。
まず、確定拠出年金って何?なんでこんなものを行うようになったのか?と言う事から話を始めていきましょう。
「退職金制度」。みなさんも一度は聞いたことがあるかと思います。
会社を退職した時に貰えるお金ですね。
退職金は全ての会社にあるわけではありません。退職金には実は企業によって様々なルールがあって、退職金がない会社も多く存在します。
日本では6〜7割弱くらいまでは退職金を設けている企業がありますが、残りは退職金を設けていないのです。(ただし小さな企業を入れるとさらに退職金を設けてない会社は増えます。)
と、言うのは企業が退職金制度を絶対に設けなくてはいけないという法律がないからです。
ですから退職金制度がそもそもなかったり、企業によって退職金の支払い方やルールが異なり、会社の規模や勤続年数によって支払われる金額が変わったりするわけです。
退職金制度がある企業は、今まで大まかに2通りの払い方がありました。
①退職一時金制度
退職後に一括で退職金が全額支払われます。
②確定給付年金
別名、企業年金ともいいます。国民年金などと同じように分割して支払われます。
今までは退職金はこのような方法で払われていました。
しかし実はこれらの退職金の払い方が時代にそぐわなくなってしまっているのです。
①の退職後に一度にまとめて全額支払うというものは、私達にとってはわかりやすいですよね。
また退職一時金は退職金の為に会社が貯めているお金ではありますが、もし会社で何かあった際にはそれを使用する事もできます。(一時的に支払う退職金を会社が借りるってイメージです。)
しかし、退職一時金制度は税金がかかってしまうのです。(今まで税制の優遇はあったんですが、なくなってしまったのですヽ( ̄д ̄;)ノ)
また退職金は会社が従業員の年齢を把握さえしていれば、次の年は退職金がいつ必要か?など計算し易かったですが、ここ最近は計算できない状況下にあります。
なぜなら転職が当たり前の時代になったからです。
急に転職されたりしますと、企業は急に退職金の用意をしなくてはいけなくなったり、場合によってはその年が赤字計上となってしまう事もあるわけです。
②の確定給付年金はどうでしょう?
確定給付年金は「確定」書いてある通り、将来貰える金額がきまっています。(加入した期間と、掛け金を決めれば決まります。)
確定給付年金をもう少し詳しく話しますと、「企業」が従業員に払う退職金の掛け金を信託銀行(お金を預けて自分の代わりに投資のプロに運用してもらう所。)や生命保険会社に渡して委託しているのです。
そして運用のプロが株や債券などに投資してくれて運用をして増やします。
しかし日本の高度経済成長期であれば、投資すれば大体儲かっていましたが、今は運用のプロでも失敗する事が多々あります。
もちろん失敗した場合は、貰える金額が減ってしまうのですが、「確定」と付いている通り従業員の退職金は決まった金額が貰えます。
じゃあ損失した場合は誰が補填するのかと言うと、会社です。
確定給付年金の特徴は個人では何も負担しませんが会社が負担するのです。
また、確定給付年金は転職してしまうとリセットされてしまいます。
つまり会社と従業員の契約が無くなり加入した時期などは意味のないものになってしまうのです。
先程も言いました、転職が当たり前の時代にはこれも合わないですね。
こういった事で今までのような退職金制度のルールでは会社にとっては負担だったり、時代に合わない・・と言う事で次のような退職金制度が出てきたわけです。
それが「確定拠出年金」です。
確定拠出年金は2001年に導入されたシステムです。
仕組みは、確定給付年金と似ていますが、ちょっと違います。
特に「自己責任」と言う部分です。
なぜ自己責任なのか?、確定拠出年金の仕組みを見て行きましょう。
確定拠出年金は自分のお給料の一部を信託銀行や生命保険会社に預けて運用して貰います。(確定給付年金と同じ)
まず自分でお給料の中からいくら運用の掛け金にするかを決めます。この時の掛け金はいくらでも良いです。(掛け金を途中で変更もできます)
この運用の掛け金ですが、これにはなんと税金がかかりません。(所得控除(年末調整とかで)の対象
となります。
つまり今までお給料全部にかかっていた税金が、掛け金分だけは税金がかからない事になるわけです。
運用してもらう所は会社で指定した信託銀行などですが、この指定した所から商品のラインナップを選びます。
例えば日本の日経平均に対しての投資だったり、海外の発展途上国が豊かになったら儲かる投資だったり、いろいろとあります。(現在は商品ラインナップを35本以下に制限する動きがあります。)
そこで良さそうな金融商品を選ぶのです。
もちろん、一度選んだものが将来ずっと変えられないわけではなく、好きな時に変更できます。
この時ですが、普通にこのような金融商品を購入して運用した場合に税金がさらにかかってくるのですが、確定拠出年金の掛け金には税金がかかりません。
そして、あなた自身が運用をしていくわけです。
ちなみに元本保証型(掛け金は減らないが、ほとんど儲からないですが)の金融商品もあります。
また確定拠出年金は転職しても、転職先にその制度があれば続けて行う事ができます。
確定拠出年金を行なっている企業は増えて来ているので転職をする時代にも合っています。
節税と言う点に関してはメリットがありますし、上手に運用していけば将来貰える退職金も増えるわけですね。
では、もし運用に失敗して元本割れ(投資で失敗して掛け金より少なくなってしまうこと)してしまった場合はどうなるでしょうか?
先程の確定給付年金では失敗した場合は会社が年金受給額の補填をしてくれましたが、確定拠出年金に関しては補填してくれません。
これが「自己責任」と言う部分の違いです。
確定拠出年金は自己責任のもとで行うので、こうした問題点もあるわけです。
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2018/08/27(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)