アメリカが国連のパレスチナ難民支援機関への支援を今後一切行わないと表明しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
国連(国際連合(様々な国同士が協力して助け合っていく機関))には国連に加盟している国同士でお金を出し合って、いろんな事を支援する様々な支援機関があります。
例えばWFP(world food programme) 。飢餓のない世界を目指して活動する国連の食糧支援機関です。
UNHCR(The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)なんて言うものもあります。紛争や難民に対して食料や水を運ぶ支援機関です。
そして今回のニュースにも上がっているのが、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関と言う支援機関ですね。
こちらは名前の通り、パレスチナの難民に対しまして教育や食料支援、社会福祉と言った支援を行っていり機関です。
パレスチナ難民って何だ?と言う方もいらっしゃると思いますが、それではパレスチナについて少し勉強して行きましょう。
まずパレスチナがどこにあるか見て見ましょう。
そしてアラブ人(パレスチナ人)が住むヨルダン川周辺とガザ地区と呼ばれる場所がここですね。
パレスチナとは完全な国の名前ではなく、このあたりの地域の事を総称として呼んでいます。(ただし、国際社会ではパレスチナと言う名前で通っています。)
地図上でイスラエルと書いてありますが、大昔はイスラエル王国と言う国がありました。
そこにはユダヤ教を信じるユダヤ人が住んでいました。
が、ローマ帝国が進出してイスラエル王国は滅びます。そこに住んでいたユダヤ人はバラバラに逃げて、キリスト教を信じるローマ人が住みました。
しかし今度はオスマン帝国が占領して、イスラム教を信じるアラブ人が住みます。
こうしてこの地域は宗教や人種が時代によって変わったりしたのですが、オスマン帝国時代に結局みんなこの土地に帰って来て住み着いちゃったんですね。
そして、3つの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)と3つの人種(ユダヤ人・ローマ人・アラブ人)がオスマン帝国時代に一緒に暮らすようになります。
意外な事にこの時点では人種や宗教が違ってたんですが、仲良く暮らしてました。
そしてオスマン帝国時代はこのイスラエル王国があったところを、「パレスチナ」と呼んでいました。
しかし、この土地を植民地化が大好きなイギリスが狙います。
第一次世界大戦が始まりイギリスはオスマン帝国の内部崩壊をはかって自国のものにしようとします。
イギリスはオスマン帝国潰すの手伝ってくれたらアラブ人の国を作ってあげるよ。とアラブ人にウソをつきます。
さらにユダヤ人にはオスマン帝国潰すのにイギリスにお金を支援してくれたらユダヤ人の国を作ってあげるよ。とウソをつきます。
イギリスには多額のお金がユダヤ人から届いたので、パレスチナではユダヤ人が優遇されていき、さらにドイツで迫害されたユダヤ人もいっぱい集まって来ます。
これに疑問を持ち始めたのがアラブ人。
「なんか、ユダヤ人増えてね・・?」となり、ついには追い出されはじめてしまうのです。
このままじゃユダヤ人に支配されてしまう!と、アラブ人とユダヤ人の対立が始まりました。
ユダヤ人もアラブ人もパレスチナを譲れない理由がありました。それはこの土地がどちらにとっても宗教上で重要な聖地なのです。
これがあまりにも手に負えない状況になり、もう植民地化という手法も古くなってしまった為、イギリスは撤退して国連に丸投げしてしまったのです。
そして、現在のようにイスラム教を信じるアラブ人(パレスチナ人)がヨルダン川周辺とガザ地区と呼ばれる場所に住む事になり、その他の土地にユダヤ人が住んでいる構造になってるわけです。
何度か話し合いは行われたのですが、解決には至らず紛争となり、この争いが今も続いていて、難民がたくさん増えてしまっています。
この難民を助ける為に作られた組織が冒頭に出てきた、「UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関」と言うわけですね。
UNRWAは世界の国から難民を支援して貰うようにお金を集めていました。そして、アメリカは年間で3億5000万ドルをこの機関に支援していました。(現在の日本だと330億円くらい)
しかし、いつまでたってもパレスチナの情勢が変わらず難民は増えるばかりで、6500万ドルに支援金を減額。
そしてついにはもう今後は支援金を一切払わない!としてしまったのです。
今後パレスチナ難民の生活が一層厳しい状況に追い込まれることは言うまでもありません。
これが今回のニュースですね。
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2018/09/10(月) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)