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日本とアメリカの「日米物品貿易協定(TAG)」についてわかりやすく解説して下さい



日本とアメリカで「日米物品貿易協定(TAG)」を始める事になりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行こうと思います。

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「自由貿易協定(FTA)」「経済連携協定(EPA)」など、◯◯貿易協定と言うものは世の中に沢山あります。

この日米物品貿易協定とはどんな協定なのでしょうか?

日米物品貿易協定とは英語ではTrade Agreement on goodsと言います。
重要な所は「物品」と書いてある所ですね。

似たようなもので「自由貿易協定(FTA)」と言うものがあります。英語ではFree Trade Agreementと言います。

自由貿易協定はある国とある国との間で結ぶ(大体は2国間ですが、EU(ヨーロッパ諸国)とある国で行ったりもします。)、貿易の約束です。

どんな約束かと言うと主に「関税」を無くしたり、少なくしたりする約束です。

関税は物を輸入した時に自分の国の製品や農産物を守る為にかけられる税金です。

アメリカなどから安いモノを輸入されますと、自分の国のモノが売れなくなってしまうので、わざと輸入したモノに税金をかけて、自分の国のモノと同じくらいの値段にして国内で売るようにするのです。

そうすれば国内産のモノも売れますから、外国産ばかりが買われる事がなくなるのです。

自由貿易協定ではこんな物が対象です。
●モノ
●サービス
●投資

簡単に言いますと、対象範囲が広いのが自由貿易協定なのです。

一方、日米物品貿易協定(TAG)はこんな物が対象です。
●モノ

工業製品とかそう言った「モノ」だけに絞った協定なのです。

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で、問題はなんで日本とアメリカが日米物品貿易協定を進めて行く事になったのか?です。

アメリカが以前TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を離脱した事をニュースをチラッと見た方もいるかもしれません。

TPPは太平洋を中心としてぐるっと囲んだ12ヶ国で、同じように貿易をする際に関税を撤廃したり減らしたりする協定です。

オバマ大統領時代は乗り気でしたが、トランプ大統領に変わるとアメリカはこのTPPを離脱したのです。

何故かと言いますとアメリカにとってはデメリットでしかないと判断したからです。

アメリカは人件費が高いので、もし無関税の製品やらが大量に入ると益々アメリカ国内のモノが売れなくなってしまうからです。

TPPは12ヶ国で行いますから、アメリカにとっては不利なんですね。しかし、アメリカ以外の国では交渉を有利に進めて行けそうなので、離脱したアメリカにどうしてもカムバックさせたかったのです。

では主に二国間で行われる自由貿易協定となるとどうでしょう?

自由貿易協定だと今度はアメリカにメリットがあります。

やはり世界第一位の経済力ですし、相手国に対して都合よく交渉を進められる事が出来やすいからですね。

もちろん日本と自由貿易協定をしてもアメリカが有利と言われております。

アメリカは日本と自由貿易協定をやりたい。けど日本は慎重になって拒否していて、日本とアメリカでは自由貿易協定がまだ行われていないのです。

そんな折、アメリカが日本との間で貿易赤字(特に日本車の輸入)が広がっているから、これからは日本にも関税(特に日本車)をかけようと検討し出しました。

こうなると、日本のモノが売れなくなってしまいます。かと言って自由貿易協定(FTA)はしたくない。

そこで妥協案として日米物品貿易協定(TAG)と言うわけです。

日本がこの交渉を有利に進められるかは全くわかりませんが、安倍首相は以前、FTAはやらないと公言していました。

日米物品貿易協定(TAG)って、FTAとあんまり変わらないじゃん・・と思って批判する方もいるのですが、安倍首相は「この協定は違う!」と言って、交渉を進めて行く予定です。

これが今回のニュースですね。
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大佐
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2018/09/28(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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