ロシアの国営石油会社「ロスネフチ」が日本とアメリカに1500億円余りの損害賠償を求めていました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
まずはロシアの国営石油会社「ロスネフチ」について解説していきましょう。
国営石油会社と言うのは国が出資をして経営や管理をしています(民間の企業ではない)。石油の産出国では大部分の国で国営にしています。
やはり石油は「資源」ですから、民間の企業に託すような事はせずに、国が様々な方針を固めて経営や管理して行く方が動きやすいからです。
ロスネフチはソ連時代(当初はロスネフチェガス)から続いている大きな石油会社です。(1991年に設立)
傘下には石油を生産したり、精製(原油を加工してガソリンや灯油などを作ったりする)したり販売する子会社があります。
ちなみにロシアの石油埋蔵量は世界第6位です。また天然ガスに至っては世界第1位の資源大国です。
そんなロシアの石油や天然ガス資源をロシアと共同で掘り出しましょうと言うことになったのが、「サハリン1」と言うプロジェクトです。
サハリンとは日本で言う、樺太島の事です。
樺太島は日本とロシアで様々な因縁があった島ですね。
一時期は日本とロシアで取りっこして、半分こする事になったんですが、ロシアが後に実効支配。
日本は北方四島(国後島、択捉島、歯舞島、色丹島)は返還の対象としてますが、いろいろあって樺太島に関しては返還対象としていないスタンスです。
サハリンで眠っている石油と天然ガスの共同開発は、1995年から始まり、2003年に本格的に海底油田の掘削作業が始まりました。
関わった企業は5社でアメリカのエクソンモービルの子会社と、日本の政府と民間会社(丸紅や伊藤忠商事など)が出資するサハリン石油ガス開発(SODECO)。
そして、インドの国営企業のインド会社石油天然ガス公社(ONGC)、ロスネフチ子会社2社が出資して共同開発をしました。
所がここ最近になって、国営石油会社のロスネフチが5社に対して訴訟を起こし、総額1570億円の支払いを命じました。
なぜこんな事になったか?ですが、実は詳細は公表されていません。
が、権益の問題だと言われています。ロスネフチが管轄する掘削場所から流れ出た石油を他の会社が採掘して利益を得た事によって訴訟が起こったと言うわけです。
地下に溜まっている原油と言うのは湖みたいに溜まっているわけではありません。
地下の泥や岩石の中に存在しています。
地下には圧力がかかっており、そこに掘削機を入れると圧力で噴出するのです。
ですが地上から掘削すると圧力がかかっていない場合もあり、その場合は水や水蒸気を送り込んで圧力を加えて取り出します。
地下の原油の状況は専門家でも難しいのですが、、5社は「地下で原油が逆流することもある」と反論しました。
ですが、結局は1500億円の訴訟に対し5社合わせて260億円払う事で落ち着きました。
これが今回のニュースですね。
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2018/10/02(火) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)