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ボリビアとチリの太平洋の出口についてをわかりやすく解説して下さい



ボリビアが太平洋の「出口」をめぐり、チリに交渉に応じるよう、国際司法裁判所に訴えました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。

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今回のニュースに関係する国は、主役のボリビア、チリ、脇役のペルーです。
ちょっと位置関係を見て見ましょう。

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この三国が隣接しており、よく見るとボリビアだけが海に面していません。
これがこのニュースのキーですね。

この三国は実は昔、戦争をしていました。
その名も「太平洋戦争」です。

日本の第二次世界大戦を太平洋戦争と呼びますが、この戦いも太平洋戦争と言います。
チリがペルーとボリビアに戦線布告して、1879年から1884年まで続きました。

三国が戦争をする前はヨーロッパの植民地となっていましたが、1818年頃からチリ→ペルー→ボリビアの順に独立をしました。

ボリビアは現在、内陸部しかありませんが、昔から海に面していなかったわけではありません。

建国当時はチリにあるアタカマ砂漠がある辺りでボリビアとチリで土地を分け合っていました。

太平洋側に400キロメートルに及ぶ海岸線があり、12万平方キロの土地があったのです。

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この辺りでは硝石(しょうせき)と言う、硝酸カリウムから出来ている鉱物が取れました。グアノとも言います。

硝石は火薬の材料にもなりますが、その当時は農業用肥料として珍重されていました。

ヨーロッパから独立した三国。硝石もあるし順風満帆じゃないの?と思うかもしれませんが、全ての国がそううまくはいきませんでした。

うまく行っていたのはチリ。
実は硝石はチリの企業がペルーやボリビアに進出して、チリの企業が硝石を主に取っていたのです。(勝手に取っていたわけではなく、もちろん契約して)

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ペルーとボリビアは経済的にうまくはいかず、特にボリビアでは大統領も無能だったようで、トラブル続出。

ボリビアではインフレ(お金の価値が無くなり、物価が高くなる現象)となってしまいました。その為、大事な鉱山などもチリに売ってしまいます。

ペルーもボリビアもお金がありません。

そこでチリだけがうまく行ってしまったので、ペルーとボリビアは密かに協力し合います。

ペルーは自分の国で硝石を取っているチリ企業を接収(国などの権力が所有物を取り上げてしまうこと)しちゃいます。

「契約してチリ企業がウチの硝石を取ってるかもしれないけど、硝石はペルーの資源だから。取るならお金を払いなさい。」と、ペルー。

ボリビアは硝石を取っているチリ企業に対して、ボリビアに収める法人税を高くして、税金を取り始めます。

チリからしたら、急になんやねん!!
と怒ってしまいますよね。

そして、ついにはチリが戦線布告して戦争となってしまったのです。

ボリビアとペルーは勝てる!と最初は考えていました。

が・・チリは強かった。
あっという間に首都を占領して5年間の戦争で勝利しました。

この戦争によってボリビアは海岸線の土地を奪われてしまい、現在は内陸部しかないのですね。

ただこのままでボリビアが港も使えないとなると困ってしまうので、チリに使用料や税金を払ってチリ領の港を貸して貰っているのです。

ボリビアは毎年3月23日を海の日として、海を取り戻せ運動をしています。

そして、ここ最近になってボリビアが国際司法裁判所にチリの海岸線を返して貰うように訴えたのです。

国際司法裁判所は国連の司法機関で、国同士の紛争について裁判したりする所です。

しかしながら、「チリが交渉する義務はないですね。」と、国際司法裁判所でボリビアの訴えを棄却しました。

これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2018/10/04(木) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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