アメリカ国内で生まれた子に自動的にアメリカ国籍を付与する制度を廃止する大統領令を検討している事がニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
アメリカの憲法ではこのような事が決められています。
『アメリカで生まれ、また帰化した人は、アメリカ合衆国の市民である』
つまりアメリカで生まれれば親がアメリカ人ではなくても、アメリカ国籍を取得する事が出来るのです。
このように、ある国で生まれたら、そのある国の国籍を取得できることを「出生地主義(しゅっしょうちしゅぎ)」と言います。
反対語として「血統主義」と言う言葉があります。
どこで生まれても、父または母の国籍を与えると言うものです。日本は血統主義ですね。
数としては出生地主義の方が少ないですが、国によっては両方を取り入れていたりもします。(条件がついていて、どちらかが採用されます。)
ちなみにもし日本人が、アメリカで出産をしたとします。こうなりますとアメリカの国籍、そして日本国籍も取得する事ができてしまいますね。
つまり二重国籍です。
この場合、日本では22才になる前にどちらの国籍を取るか選択するように決まっています。
ではなぜアメリカは出生地主義にしてきたのでしょう?
これはアメリカの歴史に関係があるのです。
アメリカは植民地でしたが、やがて独立をします。
まだまだ当初のアメリカは新興国。人口も少ないですから、当然経済力もありません。
ですから人口を増やす為に出生地主義にして、様々な移民を受け入れ易くしていたわけです(というかせざるおえない状況)。仮に血統主義にしていたら大変な事が起こります。
国籍を持たない人が大勢増えてしまい、国籍を持てないですから自国に帰ってしまったり、お金を自国にいる家族に送ったりしてしまい、アメリカの経済力は上がりません。
そういうわけで出生地主義をアメリカはとり続け、人口を増やし、経済力を上げ現在に至るわけです。
所が先進国となったアメリカで現在も出生地主義にしていたら不都合が起きたのです。
「アメリカ国籍を持たない移民が大量に押し寄せてきて、アメリカで子供を産む」と言う行動が問題になってしまったのですね。
アメリカは他国に比べて景気が良く仕事があります。
景気の悪い国から景気の良いアメリカに不法に入国して故意に出産をしてしまえば、子供にアメリカ国籍をが与えられます。
しかも子供にアメリカ国籍を持たせると、今度はその子供が成人年齢に達した場合は家族の永住権を申請することができるのです。
つまり、親もアメリカ国籍を取得する事ができるのですね。
そうなれば自動的に公共サービスや社会保障を受けられるようになるわけで、これにトランプ大統領が怒っているわけです。
移民問題で既に怒っていて、さらにアメリカで産まれたらアメリカ国籍となってしまうこの問題・・。
そこで大統領令で出生地主義を撤廃してしまおう!
と検討し出したのです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/11/01(木) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)