ECB(欧州中央銀行)が12月末で債券の購入を終了する方針にした事がわかりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
ECBとは、European Central Bankの略で欧州中央銀行と言います。
日本にも同じように日本銀行と呼ばれる中央銀行がありますね。
中央銀行は「物価の安定」と「持続的に経済を成長させる」と言う目的があります。
この目的の下に様々な「金融政策」を行います。
金融政策と言うのは経済を良くする為に、何らかの政策をする事です。
例えばお金を借りる際の利率を低く設定する政策をしたりします。
また役割としては、
●紙幣の発行
●政府から委託されてお金を管理する(公務員の給料を払ったり公共事業に使ったりします。)
●銀行の銀行(巷にある銀行と中央銀行とでお金を貸し借りしたり、先程のような金融政策の為に利率を調整したりします。)
と言った役割があります。
ECBはまさに日本銀行の欧州版です。
EU(ヨーロッパ連合(イギリスとかスウェーデンなど28ヶ国が加盟してます。))で「ユーロ」と言う通貨を使用している国の中央銀行ってわけです。
ECBは景気を良くする為に、いくつかの金融政策を行なっていました。例えば先程の様にお金を借りる際の利率を引き下げる金融緩和と言った政策ですね。
その中の一つとして「国債の購入」と言う金融政策をしていました。(量的緩和という金融政策です。)
国債と言うのは借用書の様なものです。
国は皆さんから税金をとりますが、国を維持、管理、運用して行くには税金だけではとても賄いきれません。
そこで国は国債と言うものを発行して、それを購入してもらう様にするのです。もちろん私達も購入する事が出来ますし、巷にある銀行も購入できます。
国は国債を購入して貰った資金で様々な事に使うわけですが、購入した方にいつかは国債と引き換えにお金を返さないといけません。
それも利子を付けてです。
国債を購入しとけば利子が付いてお金が返って来ますので皆さん購入するわけです。
(銀行に預けても利子は増えますが、利率は国債の方が良いですし、元本保証型で安全なために購入するのです。)
さて、不景気になりますと、みなさんお金を使わなくなりますよね。お金を使わないから市場にお金が回りません。
そこで、国は今まで発行していた国債を「銀行」から買い取るようになります。不景気な時は銀行も沢山お金を持っていれば安心なので国債を国に売ります。
すると銀行には沢山お金が増えて行きます。
ただし銀行はお金だけあっても安心というだけで意味がないので、ある程度お金が増えたら積極的にお金を貸すようになります。
こうなりますと、企業などはお金を借りやすくなり、設備投資や工場を作るようになります。
すると従業員の雇用や給料が増え、家を買ったり買い物をする様になって行きます。
そして市場にお金が周り出して、少しずつ景気がよくなるわけです。
ECBはこの様に今まで発行した債券を銀行から購入して来たのですが、それを12月末で終了する方針にしたのです。
つまり少しずつ景気が良くなって来たので(不景気の不安要素も少なくなってきました。)、購入しなくてもよくなってきたんですね。
ただし、はっきりと「止める」とは言ってはいません。
ECBは月に300億ユーロ(約3兆9000億円)の債券購入を9月末まで続けた後に、10月から150億ユーロに減らし、年末には購入を終了する予定ではあります。
ですが今後に何があるかはわかりませんし、経済がちゃんとよくなったとわかるまでは安心できませんので、はっきりと明言できないのです。
これが今回のニュースですね。
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2018/11/28(水) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)