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産業革新投資機構の役員(取締役)は何故辞任する事にしたのか?わかりやすく解説して下さい



官民ファンドの産業革新投資機構で役員(取締役)9人が辞任する見通しとなりました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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まずは官民ファンドとは何か?産業革新投資機構とは何か?から解説して行きましょう。

官民ファンドと言うのは、国がある政策をしようとする際に、国と民間の会社が共同で出資をして基金を作り配当や収益を分配する事です。

基金とは英語ではファンド(fund)と言いまして、ある目的の為に集められた「元手資金」の事をいいます。

今回の場合は官(国の政務を行う機関。つまり政府ですね。)と民(民間の企業)でお金を出し合って基金を作るので、官民ファンドと言うわけです。

何で国と民間の会社とがお金を出し合うのか?と言うことですが、単純に金銭を国と民間会社が負担し合うと言うこともありますが、大事な事があります。

政府と民間会社が介入する事によって、監視し合えると言う面があるのです。
集めた資金を不当に使用してないか?などですね。

では集めたお金をどうするか・・?これは官民ファンドの目的によって違ったりします。

産業革新投資機構とは正しくは「株式会社産業革新投資機構」と言います。

そう。産業革新投資機構とは会社なんです。
官と民がお金を出し合って作った会社なのです。

産業革新投資機構ではこんな事業をしています。

例えば製品を作り出す技術力は高いけど、お金がないAというの企業があったとします。

お金さえあれば何とかなるんだが・・と悩んでいます。

そこで産業革新投資機構が近寄って来ます。
オタクの会社に投資しますよ!(見方によっては融資しますよ!とも見れますけどね。)

その代わりに儲かったら、配当金(儲かった一部を与える事)を下さいね。
とするわけです。

その後、Aという会社は産業投資革新機構から投資してもらった資金で製品を作り出し、これが非常に売れたので配当の一部を産業投資革新機構に与えます。

産業投資革新機構はそれで儲かるし、A会社も儲かるというわけです。

何で産業投資革新機構なんて物を作ったかと言いますと、日本の経済を立て直す為に政府が作られました。

先程の様に技術力は高いけど不景気で資金がない会社や、資金がないけど儲かりそうなベンチャー企業などもったいない会社が沢山いました。

そういった会社に産業投資革新機構のように投資(資金を出してくれる)してくれる所が必要だったからです。

ただし産業投資革新機構は景気の回復の為に2009年から15年間限定で設置されたものなので、ずっとあるわけではありません。

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さて、なんで産業投資革新機構の役員達(取締役)は辞任する事にしたのでしょうか。

一番の原因となったのは産業投資革新機構に勤める役員の報酬です。

産業投資革新機構に勤める田中社長とその他の役員は発足前の報酬について「これだけ払いますよ」と言われていました。

誰に言われたのかと言いますと、経済産業省です。

産業投資革新機構は官民によって作られたわけですが、実は殆どの資金は政府が出しています。だから会社の株主を見ますと、「財務大臣」となっています。

このように政府がメインで資金を提供して作られたので、「政府系ファンド」とも呼ばれています。
つまりオーナーは政府となります。

オーナーである政府(経済産業省)からは固定報酬で1550万円、成功報酬としては1億1000万円を払いますよ。と言われていました。

所がこの報酬が高すぎる!と政府の中で問題となりました。

そこで経済産業省に勤める嶋田隆事務次官が「ごめんなさい。報酬が多いので減額させて下さい」と田中社長と役員に減額をお願いしたのです。

当初に経済産業省からこれだけ払いますよ!と言われていたのに、経済産業省からやっぱ高すぎるから減額するわ。

・・と、勝手に決められて言われたわけです。

皆さんも勤めてる会社から同じような事をされたら普通怒ると思います。

産業投資革新機構と政府の確執が浮き彫りになってきますね。

また産業投資革新機構の目的が曖昧になっている事も一つの原因と言われています。

以前はベンチャー企業や技術力があっても資金がないような会社に対して投資をしていくのが産業投資革新機構の目的だったはず。

しかし、シャープやジャパンディスプレイ、ルネサスエレクトロニクスと言った大会社が経営危機に陥った際に、産業投資革新機構が資金を提供して救済をしました。

何故か目的が「大企業の救済措置を取る」という色が濃くなってしまったのです。

それで「なんだか目的もよくわからんし、報酬は減るし、政府との確執はあるし・・辞めよう。」

・・と、本当に本人達がこの様に思ったのかはわかりませんが、産業投資革新機構に勤める9名の役員(田中社長含む)が辞めると言い出したわけです。

これが今回のニュースですね。
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大佐
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2018/12/12(水) | 政治のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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