中国の中国の習近平国家主席が演説で「一国二制度」を進める考えに対して、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統が「絶対に受け入れない」と反対しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきましょう。
まず、中国と台湾ってどんな歴史があって、どのような関係なのかを見ていきましょう。
中国と台湾の場所はこちらですね。↓
大きな面積を持つ中国に対して台湾は海に囲まれた島国って感じがしますね。
今の中国は台湾をこのように考えています。
「台湾は中国の領土であり、一つの独立した国ではない」
この時点でもうあまりよくない関係だな。と感じると思いますが、実は台湾を「一つの独立した国」と国際社会では認めていないのです。
もちろん日本も認めておりません。
じゃあどの様に呼んでいるかと言うと台湾という「地域」と呼んでいます。
ただし、国際社会では認めていなくとも、個別の国で台湾は一つの独立した国と認めている所もあります。(パラグアイ共和国とかドミニカ共和国とか。でもこの様な国は中国とほぼ縁がない国ばかりです。)
中国が建国される前は「清(1616年〜1912年)」と言う国がありました。
清はヨーロッパや日本と戦争をするのですが、敗北してしまい、多額の賠償金や領土が奪われてしまいます。
仕方がないので清は増税するなどの対策をする事になるのですが、国民の不満が起こり反乱が起こるのです。
この中にいたのが、皆さんも一度は聞いたことのある「孫文」です。
そして孫文が率いた革命軍によって、近代国家を目指した革命(辛亥革命(しんがいかくめい)と言います。)が起こり、「中華民国」と言う国が出来たのです。
孫文は中華民国を作り上げると「中国国民党」(いわゆる民主主義の党ですね)という党を作ります。
そしてこれに対して、ロシアの社会主義に影響を受けた中国共産党と言う党が現れます。
当時は社会主義に若い人達が強く支持していたのです。
この中国共産党を率いていたのが毛沢東ですね。
こんな二つの党があったらさぞ対立しただろうかと思いますが、実はお互い仲良くやっていたんです。
ただし、孫文が亡くなるまでは・・。
孫文が亡くなった後に継いだのが、蒋介石です。
この蒋介石に変わった事により、中国国民党と中国共産党が対立します。
蒋介石は共産主義的な考えを持つ中国共産党を弾圧するのです。
もちろん毛沢東も対抗するわけですが、ここに情勢が味方します。
中国国民党は第二次世界大戦により、大ダメージを受けており、おまけにロシアが中国共産党を支援したのです。
中国国民党はやがて劣勢となり、日本が占領していた台湾に逃げてしまいました。(台湾は第二次世界大戦中は日本軍が占領していたのですが、日本が敗北して引き上げた後に中国国民党が回収していたので、台湾に逃げたわけです。)
中国共産党はあと一歩の所で中国国民党を追い詰めるわけですが、なんとか中国国民党が持ちこたえて今のような状況になっているのです。
と、言うことは。
中国は中国共産党の社会主義。
台湾は中国国民党の民主主義。
という、二つの考えがあるわけですね。
中国としては台湾も中国の領土として共産主義にしたい所ですが、それは難しい事です。
戦争して国を奪う様な事はもはや時代遅れですし、そこまでして欲しい訳でもないし、国連だって黙ってないですから。
ですから二つの制度(共産党と国民党)があってもいい事にしちゃうよ。でも中国にはしちゃうけれどね!という、「一国二制度」を提案しているわけです。
それに対して台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統(日本で言えば首相)は「受け入れません。民主主義は台湾人が大切にしている価値」と、反対しているのです。
所で一国二制度なんて事、本当に中国はできるのでしょうか?
いいえ、実は既に中国は一国二制度をしています。
香港はみなさん知っていますね。
香港は1997年までイギリスが統治していました。
イギリスが統治していましたから当然イギリスの考え、資本主義によって香港は栄えていました。そして先進国並みに発展した後に中国に返されたわけです。
資本主義に染まった香港を中国に返還されたからと言って簡単に社会主義に変えることは出来ませんよね。
そこで中国は香港を「特別行政区」として、社会主義の制度と政策を実施しないで従来の資本主義制度と生活様式を保ったままの状態にしてるのです。
これが今回のニュースですね。
あ、みなさん明けましておめでとう。
今年も宜しくです。
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ブログ管理人:大佐

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2019/01/04(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)