ビールメーカーのサッポロが第3のビールとして販売したビールを東京地裁が第3のビールに該当しないと判断しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。
あなたが飲んでいるのはビール?発泡酒?第3のビール??
スーパーには数多くのビールが並んでいますね。
しかしながら、ビールの他に発泡酒やビールっぽいラベルを貼った、ビールっぽい味のビールじゃないものも並んでいます。
なぜにビールやビールっぽい飲み物の種類がこんなにあるのかと言いますと、「税金」と「商品」でいたちごっこの関係にあるからです。
ビールを作れば税金がかかるので、法の網をくぐってメーカーがビールに似たものを作ると、今度はその商品に対する税金を国が作るからです。
ビールの定義は麦芽の使用率が67%以上のもので、発泡性があり、アルコール分が20%以下のものをビールと言います。
麦芽とは大麦についている種を少しだけ芽を出させて発芽させたものです。
麦芽使用率67%はどういう事かといいますと、麦芽100キロを使い100%のビールを作ったら当然67%以上ですからビールですね。
じゃあ麦芽使用率60%(60キロ)で、40%(40キロ)の水で作った場合はビールとは呼ばないわけです。
ビールと呼べない、これが何と言われているかと言いますと、発泡酒(第二のビール)とか、第三のビールですね。
発泡酒は麦芽使用率67%未満のものをいいまして、
第三のビールは麦芽使用率0%だったり、発泡酒に別のアルコールを入れたものを言います。(ちなみに発泡酒の主流は麦芽使用率25%未満の物が多い)
しかしですね。
ビールの定義は麦芽使用率67%以上なんですが、税金となると話が別なんです。
ご存知の通り、お酒には酒税という税金がかけられているわけなんですが、なんとまあこれが麦芽使用率によって税金が下の様に変わるようになっているんです。
・麦芽使用率0%〜25%未満・・安い
・麦芽使用率25%〜50%未満・・やや高い
・麦芽使用率50%以上・・高い
いま「?」と思う方もいらっしゃったんじゃないでしょうか。
つまりですね。ビールの定義は67%からのはずなんですけど、50%以上の麦芽を使用していたら、ビールと名乗れない物でもビールと同じ酒税がかかってくるんです。
なんで分かりやすく67%以上の麦芽使用率で税金の上限を変えなかったのかはよくわかりません・・。
が!なんと2018年4月からはビールの定義がこのような形に変わりました。
「麦芽使用率50%以上でビールと名乗れる」
結局、ビール会社からビールと名乗れないのにビールと同じ税金がかかるのは納得イカン!と、文句が出たからですね。
だからビールの定義を変えてしまったわけです。
酒税の上限、下限を変えた方が良いのでは・・と思った方もいるかと思いますが、いろいろと不都合な理由もあったりしました。
まず67%以上の麦芽を使用してるビールに一番酒税を高くした場合、ただでさえ今はビールが売れてないので、ますます売れなくなってしまいます。
今の主流は発泡酒と第3のビールですし、味もビールに近いこちらにフォーカスを置いた方が良いと判断したのでしょう。
また酒税の見直しは検討されていて、ビールも発泡酒も第3のビールも350mlあたり55円の酒税にしちゃおうという事が提案されています。
つまり酒税が同じなので第3のビールとかは市場から消えてしまうかもしれません。
では話をニュースに戻しましょう。
サッポロが第3のビールとして発売した商品が第3のビールに該当しないと東京地裁が判決を出しました。
事の始まりは2013年です。サッポロが第3のビールとして「極ZERO」という商品を発売しました。
しかし、税金を徴収したり税金を払っているか調査する国税局が、極ZEROは第3のビールに該当しない可能性があると指摘したのです。
そこでサッポロは極ZEROの出荷を一時停止して、高い税率との差額である115億円をとりあえず納付したのです。
が、やはりサッポロは納得いかず自社で改めて検証をした所、やはり第3のビールという結論に達し、納めた115億円の税金を返してもらう訴訟を起こしたわけです。
しかしながら、裁判で第3のビールではないと判決を下されたのです。
なぜこのような判決になったのか詳しい内容は実は公表されていません。
というのは製品、製法は企業の営業秘密となるのでサッポロが閲覧をする権限を自ら申し立ててしまったからです。
本当に極ZEROが第3のビールだったのか、それとも違うのかはわかりません。
これが今回のニュースですね。
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自己紹介
ブログ管理人:大佐

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2019/02/13(水) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)