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自動車メーカーのホンダがイギリスで自動車の生産から撤退する事を表明したニュースをわかりやすく解説して下さい



イギリスにある日本の自動車メーカー、ホンダが2021年中に自動車の生産から撤退する事を決めました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きましょう。

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イギリスは今、このような事で国が揺れています。

「EU離脱問題」

EUはヨーロッパ連合ですね。ドイツやイギリスなど28カ国が加盟しており、ロシアとアメリカに肩を並べる為、ヨーロッパ諸国が協力し合って経済的にも団結した強い国にしようと考え作られました。

しかしイギリスがEUから離脱すると唱え、2016年に国民投票(国民が直接投票をして何かを決める事。多数決で決まります。)を行い、離脱する事にしました。

離脱する理由は主に「移民受入によって起こる連鎖的な問題とEUの不信感」からです。

EU加盟国は移民を受け入れる決まりなんですが、イギリスは社会保障などが他国と比べて非常に充実している為、移民がどんどん増えてしまいました。

税金から賄われる社会保障はもちろん移民にも適用される為、本来受けられるはずのイギリス国民も将来的に受けられなくなる可能性があり、財務を圧迫してるのです。

また大量に移民が来ますと、宗教の違いによるトラブルや、移民に雇用が奪われたり等の問題も起こってしまいます。

こうした問題提起をしましたがEUは何をするわけでもありませんでした。

せっかくEUに加盟したのに国が潰れてしまうと言う本末転倒な事象が起こってしまうので、イギリスは離脱する事にしたわけです。

そんなイギリスですが、ここに日本の自動車メーカー、ホンダの工場があります。
イギリスのスウィンドンと呼ばれる場所です。

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現在では3500人の従業員がおり、2018年には年間16万台の自動車を生産していました。
所が2021年中に自動車の生産を止める事にしたのです。

何故このような決断を下したのでしょうか?

イギリスで作られたホンダの自動車はヨーロッパ諸国に向けて販売されていますが、まずそもそもヨーロッパでのホンダの自動車販売シェアは非常に低いです。

なんと1%以下です。

何故かと言いますと、ヨーロッパでは日本車ってあまり人気がないんです。ですからホンダだけでなく、トヨタなど他の日本の自動車も同じくあまり売れていません。

日本の自動車はデザインからしてヨーロッパ国民に人気がないからです。(凄く地味らしいです。)

そしてヨーロッパにはフォルクスワーゲンやらBMWやらメルセデスやら日本車に劣らない高品質で洗練されたデザインの車がシェアを占めています。

おまけにこれらの自動車メーカーは国から莫大な補助を受けており、さらに電動自動車の開発も進んでおり、日本の車メーカーが付け入る隙がないってわけですね。

ホンダの車はヨーロッパでは売れない・・じゃあ売れない分の自動車はどこで売ってるのかと言いますと、北米や日本です。

最初はヨーロッパ諸国に向けて車を販売しようとスウィンドン工場を作りましたが、ヨーロッパでは売れなくて北米や日本に向けて売っています。

スウィンドン工場の自動車生産量もかつては25万台を生産していましたが、今は10万台の生産減。

ですからイギリスでそもそも自動車を生産する意味ってある・・?
となっていたのです。

そして今まではEUの加盟国であるイギリスで自動車を作ってEU圏内で販売すれば10%ほどの税金が免除されていました。

ホンダは「イギリスの離脱が原因ではない」と否定していますが、イギリスがEUを離脱してしまうと、このままEU圏内で自動車を売っていた場合、当然10%の税金が上乗せされます。

ヨーロッパで売れないのにさらに税金が10%増しです。

しかもEUはイギリスが一方的に裏切ってEUを離脱していると言うレッテルを貼っています。

ですからイギリスが離脱するとEUが何らかの制裁を与えたり圧力をかけて来る可能性もあり、イギリスの経済が下落すると言われています。

今のイギリス経済は先が読めないのです。

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こう言った暗い話にプラスして、今年の2月1日に日本とEUが「EPA経済連携協定」というものを結びました。

これを結ぶとEUと日本で関税(安い外国製品にわざと税金をかけて、自国の製品と同じくらいの値段にして売る事で自国の製品を守ること)が撤廃されるようになります。

自動車も同じように関税を段階的に下げて8年後には10%の関税が無くなり、日本で自動車を作っても、EU圏内で作っても税金では変わりません。

こうなるとさらにイギリスで自動車を作る理由がありません。

スウィンドンの住人はイギリスのEU離脱に55%が賛成してしまいましたが、これによって3500人の雇用が無くなってしまいます。

これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2019/02/22(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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