自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、フランスの自動車大手のルノーに経営統合を提案しました。
今回はこのニュースを分かりやすく解説して行きたいと思います。
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)はアメリカとイタリアの自動車メーカーが2014年に合併して出来た会社ですね。
クライスラーが経営危機に陥ったのでクライスラーとフィアットが合併して作られたわけです。
ルノーはフランスの自動車メーカーで、日産自動車を事実上の傘下に置いた会社です。
現在ルノーは日産自動車の株式を43%以上保有しています。会社の株を3分の1以上を保有していると実質的に会社を支配できるため、日産はルノーの傘下なんです。
このFCAがルノーに経営統合を持ちかけました。
よく合併や経営統合と言いますが、両者には違いがあります。
合併には「新設合併」と「吸収合併」があります。
新設合併は例えば二つの会社があったとして、この二つの会社が新しい会社を設立する事です。
こうすると今まであった二つの会社の法人格(会社法などの法律によって権利などが与えられる事)は消滅して、新しく作った会社に法人格が与えられます。
一方、吸収合併はどちらか一方の会社の法人格が消滅して、もう片方の会社に吸収されます。
いずれにせよ、法人格が両方又はどちらかが消えると言うのが合併です。
経営統合はくっ付こうとしている会社同士が、持株会社を設立します。
持株会社は具体的な事業を行う事はほぼありません。(これを純粋持株会社といいます。たまに事業を行う会社もありますが、そういうのは事業持株会社と言います。)
じゃあ事業を行わない持株会社は何をするかと言いますと、傘下に置いた会社を支配し、経営の意志や決定を下したり、経営管理をします。
経営や風習、事業など異なる会社が統合するわけですから、それらをまとめるわけですね。
傘下に置かれた会社は持株会社からの意志や決定が反映されますが、傘下にいる会社はあくまでやっている事業が異なったりするわけで別の会社です。
ですから法人格がなくなりません。
この法人格が無くならないというのが経営統合の特徴です。
ちなみに持株会社の収入は支配している会社の株の配当金が収入となりますが、これが目的ではなく、経営の効率化が目的です。
今回はルノーとFCAが経営統合をする検討に入ってるわけですからルノーは法人格がなくならず、もちろんFCAも存在し続けます。
そしてルノーとFCAの両社が新しく持株会社を作るというわけです。
統合されて作られた持株会社には、取締役をFCAとルノーから各4人ずつ、日産からは1人を出す形と予定しています。
また会社はイタリアやニューヨークの株式市場などに上場(証券取引所で株を売買できること)する予定です。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2019/05/29(水) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)