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諫早湾(いさはやわん)干拓事業の問題についてわかりやすく解説して下さい



国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、一定レベルの開門による和解案を最高裁判所に提出する方針を明らかにしました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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まずは諫早湾(いさはやわん)がどこにあるのかを確認しましょう。

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諫早湾は長崎県の有明海にある真ん中辺りから、南西側に入り込んだ部分を指します。

有明海と言えば海苔の養殖で有名ですよね。
日本の海苔の4割を占めています。他には貝や海藻類など、多様な海の恵みがあります。

この有明海の諫早湾を1997年に鉄板で閉め切ってしまったのです。

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なぜこんな事をしたのでしょうか。

戦後、日本はコメ不足でした。
食べる物がないので非常に困っていたのです。
そこで干拓をして陸地を作り、そこに稲や農作物を植えて食料自給率を上げようとしたのです。

干拓というのは現在ある海に先程の写真のような鉄板で締め切って堤防を作り、さらにそこに水門を作ります。(諫早湾には2ヶ所あります。)

この水門から水を抜き取る事によって、干上がった場所が陸地となるわけです。

ちなみに埋立ては同じような仕組みですが、干上がった場所に土砂などを入れます。(土砂などを入れる分、陸地が高くなります。)

日本は昔から干拓事業を行ってきており、これが全国に230ヶ所ほどあります。

諫早湾の干拓事業はコメ不足を補う為に1952年から構想が始まりました。
しかしながら時代が進むにつれてコメ不足から一転、コメ余りとなります。

日本がコメ不足を解消しようと頑張り過ぎた為、70年代にはコメが余ってしまったのです。
政府はこれ以上コメを作らせないように「減反政策」を実施します。

減反政策はコメの生産を削減する為に農家にコメの作付けを削減させる政策です。

日本はもう食料は確保出来ていました。
しかしながら工事の着工はそのまま進み、「水害対策」という目的を加えて干拓事業が行われました。

そして1989年に着工されたのです。

後から付け加えた水害対策という目的ですが、効果が有るか無いかと言われれば、これは有ります。

有明海は潮の干満の差が日本でも最大級です。
この自然の仕組みを利用して海苔の養殖も行われているのですが、時には潮の干満差と特有の地形が水害を引き起こす原因にもなります。

この辺りの地形は集中豪雨が発生し易く、満潮時と集中豪雨が合わさると川の水が海に流れにくくなり、洪水や高潮が発生してしまいます。

水門があれば水を排泄できる為、被害を抑える事ができるのです。

しかし水害対策の最も有効な手段か?
と問うとこれに対しては「?」です。

もともとは食料確保の目的で行った事業に、後付けで水害対策という目的を加えたので、これには疑った方が良さそうです。

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干拓事業はさらに進み、1997年に湾は一斉に鉄板によって締め切られます。これがギロチンの様に見えた事からめちゃくちゃ政府はバッシングされます。

そして2007年に工事が終了して次の年から干拓された場所で農業が始まりました。

ここから農業者対漁業者、さらには周辺住民も加わり争いが始まります。

漁業者は有明海の海苔や貝なども取れなくなったと訴えて、水門を開けろ!と国を提訴します。

逆に農業者からは水門を開けたらまた高潮などの被害が出て、農作物がダメになるじゃないか!と反対します。

そして2010年、漁業者の訴えに対して福岡高等裁判所でこんな判決が出ました。

「2013年に12月20日までに5年間、水門を開門しなさい」

水門を開けなさいと判決がでたのですね。
しかしこれに対して開門の差しどめを農業者が申し立てました。

すると今度は農業者の訴えに対して2013年に長崎地方裁判所でこんな判決が出ました。

「開門してはダメです。」

真逆の判決が出てしまったわけですね。
干潟だけにドロ沼です。

そこで今回のニュースです。

漁業者側の弁護団がドロ沼の法廷闘争を終わらせるため、水門を全開するのではなくて、一定レベルまで水門を開けて、漁業者と農業者の和解案を最高裁判所に提出する方針にしたのです。

一定レベルであれば農業者が受ける被害も限定的と考え、もしも想定外の被害が出た場合に備えて基金の創設も提案しました。

これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2019/06/07(金) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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