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香港で容疑者の身柄を中国本土へ引き渡す「逃亡犯条例改正」に反対するデモを分かりやすく解説して下さい



香港で、容疑者の身柄を中国に引き渡せるようにする条例の改正(逃亡犯条例改正)に反対する大規模なデモが9日に行われました。

今回はこのニュースを分かりやすく解説して行きたいと思います。

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中国と香港は下のような位置関係にあります。

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中国と比べますと香港は非常に小さいですね。
拡大して見ますと、小さな半島(海に向かって付きだしてる陸地)や島が香港です。

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時は19世紀。
中国は昔は『清』という名前で、香港は昔、清にあるただの漁村でした。
今の様にカジノなんて当然ありません。

この時に清でめっちゃ流行っていた麻薬があります。

アヘンです。

当時は三角貿易と言って、イギリスがとんでもなく儲けていました。

●イギリスは清からお茶を購入して、イギリスは銀で支払い
●イギリスがインドに絹織物を輸出して、インドは銀で支払い
●インドが清にアヘンを輸出して清は銀で支払い

イギリスではお茶が大流行していましたので、清からお茶を大量に輸入していました。

代金は銀で支払っていたんですが、やがてイギリスは貿易赤字になってしまいました。

そこでイギリス国内にある銀が清に流れてしまうのを防ぐ為に三角貿易をして、最終的には銀が自分の国に戻るようにしてたのです。

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清にはアヘン中毒者がいっぱいです。

これを重く見た清の大臣、林則徐(りんそくじょ)という人物が異常とも思えるぐらいに徹底的に取り締まりをしました。

清にいたイギリス人も徹底的に閉めだしました。

これに怖くなった清に在中していた外交官、チャールズ・エリオットはマカオに逃げますが、マカオも林則徐が武力で封鎖してしまいます。

これがきっかけでイギリス軍が進軍し、アヘン戦争に発展したのです。

清は最新式の武器を持っているイギリス軍に大敗。
そして清とイギリスの間で1842年に『南京条約』を結んだのです。

南京条約はイギリスに有利に作られた条約です。

この南京条約によって香港の一部がイギリスの植民地となってしまったのです。

※ただし第二次世界大戦中は今度は日本が香港を植民地化しましたが、日本が戦争に負けると再びイギリスが植民地化を再開しました。
●清→イギリスの植民地→日本の植民地→イギリスの植民地

南京条約の締結後、1898年にはこんな約束がイギリスと交わされます。

イギリスに『99年間の租借をする』

要はイギリスに99年間、土地を貸す約束です。
ただし貸すと言っても貸した国に主権がある理不尽な約束です。

それからいろいろとありますが99年の期限が切れて1997年にめでたく香港は中国(もともとは清)に返されたのです。

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さて、今度は中国と香港の関係です。
中国は香港を『香港特別行政区』としています。

香港は国ではなく都市です。

なんでこんな事をしているかと言うと、「一国ニ制度」という体制を取っているからですね。

イギリスに長い間支配された香港は資本主義という体制で長い間暮らしていたので、「はい!明日から社会主義ねー」と切り替える事ができなかったのです。

ですから中国の中に社会主義と資本主義の2つを置いているわけです。

香港は中国の一部なんですが、中国とはほぼ完全に独立した国と見る事ができます。

先程申した通り資本主義と社会主義の違いがあり、貨幣は中国は元なのに対して香港ドル。中国と香港を行き来する際はパスポートが必要です。

また香港には区旗も存在して地方裁判所や行政長官(香港の首長)もいます。

この中国と香港の違いが、今は両者の関係をねじ曲げています。

生まれた時から香港人の方からしてみれば、制度も違うし、ここは中国ではなく香港という一つの国だと思えてしまいますよね?

しかし中国に返還したんだから中国の物だと主張する人も当然いるわけです。

香港は香港という一つの国だ!
いや中国に返還したんだから中国が本土だ!
と、香港国内にいる方で主張が飛び交っているわけですね。

ちなみに香港では6〜7割の方は中国人ではなく香港人と言う認識をしているようです。

香港が中国に返還された時に、中国は2047年までは「一国ニ制度」に基づいて、香港の自由と法制度を支持すると保証していました。

つまり中国が介入せず、あくまで犯罪などが起きた時も香港の法が適用する事を保証したのです。

そんな折、起こったのが香港政府が行った「逃亡犯条例の改正」と言うニュースです。

きっかけは昨年に台湾で起こった事件でした。
香港人の男が交際相手の女性を殺害し、香港に逃げて逮捕されたのです。

中国は容疑者の引き渡しを香港にお願いしたいところですが、香港側もそれができないのです。

何故なら中国と香港には
「容疑者引き渡しの協定がない」からです。

そこで香港政府は逃亡犯条例の改正を行なって、中国本土へ引き渡せるようにしようと提案したのです。

これに対して香港国民が反対し、大規模なデモが発生したのです。

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先程申した通り、中国は香港の自由と法制度を支持する約束をしておりました。

もしも容疑者を中国へ引き渡すルートが確立してしまうと「中国が引き渡しをしなさい」と言えば全ての容疑者が中国へ引き渡されてしまう事になります。

こうなると香港は中国から干渉を受ける事になってしまい、中国の法治となる恐れがあります。

香港には中国を批判する民主活動家なども沢山おりますから、こう言った方々も捕まって中国に送られ、中国の法の下で刑が言い渡される事もありえるわけです。

こう言った懸念もあるし、香港の自由と法制度に干渉されるのは許さない!というわけで大規模なデモに発展したのです。

香港政府は容疑者引き渡しの適用は7年以上の刑期を伴う最も重い犯罪容疑のみ適用する提案をしています。

しかしながら逮捕出来ない場合は、中国では別の容疑をかけて逮捕する事もある為に実効性を問題視する声も上がっています。

これが今回のニュースですね。
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自己紹介
ブログ管理人:大佐
大佐
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2019/06/12(水) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(4)

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大佐

『コメントありがとうございます!』

基本的な事さえ抑えておけば、ニュースでチラッとやっていることでもわかってきますよね!

これからも宜しくお願いします!(^^)

2019/08/20(火) 07:23:31 | URL | [ 編集]

ひさきち

『』

恥ずかしながら何故引き渡し可能にすることがこんなに問題なのかと思っていたのですが、こういう背景があったのですね。
分かりやすくて難しいことも楽しく読めます。

2019/08/14(水) 00:09:51 | URL | [ 編集]

-

『コメントありがとうございます!』

香港のこと、詳しくなれて何よりです!

これからもよろしくお願い致します(^^)

2019/07/08(月) 19:06:33 | URL | [ 編集]

-

『』

歴史背景、地図もあって判りやすかったです。ありがとうございます。

2019/06/29(土) 10:19:13 | URL | [ 編集]

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