競売大手サザビーズが、起業家パトリック・ドライ氏が設立した買収目的会社に37億ドル(約4000億円)で身売りすると発表しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
サザビーズとは何か?
サザビーズはイギリスが発祥のオークションハウスです。いわゆる競売ですね。
サザビーズのオークションハウスはアメリカ、香港、イギリス、フランス、中国と言った具合に世界中にあります。
最近ではZOZOTOWNの前沢社長がミュシェル・バスキアの絵を123億円で購入した事で有名です。
オークションと言いますとヤフーなどのネットオークションが身近ですが、サザビーズのオークションはちょっと違います。
サザビーズに出品したい場合は、サザビーズの鑑定士にまず鑑定をして貰う事から始まります。(鑑定料は無料)
というのは、サザビーズは非常に歴史のあるオークションハウスですから、間違っても偽物を出品することはできません。
鑑定が終わると、どのくらいの価格で落札されるかが算出され、本人が納得すればカタログ写真の撮影が行われるのです。
カタログ写真はオークションに参加する方々用のものです。
出品物は絵画やジュエリーなど様々なものがありますが、50万円~200万円くらいのものが下限だと言われています。
というのは輸送費や手数料などがかかってしまうので、オークションで高値をつけなかった場合は下手をすると出品者が全然儲からなかった・・なんて事もあるからです。
ただし、出品者はリザーブ(最低落札価格)をあらかじめ決めておくことができます。(査定の評価額以下であれば決められます。)
リザーブを設定しておけばそれ以下の金額で落札される事がないので、落札されなかったら出品者に変換されます。
出品物はオークションの前にプレビューと言って、一般公開されます。実際に目の前で出品物を見て、いくらまで出せるか?などを考えて貰う為です。
その後、やっとオークションとなります。
オークションハウスには沢山のセレブや財界人がおりますが、なんと誰でも入れます。(あらかじめ身分証の登録が必要です。)
またインターネットや電話でもオークションに参加が可能です。
敷居が高そうに見えて、結構敷居は低いわけです。
でも、目の前の人の落札金額を見て初めて次元の違う人と気付かされるでしょう。
落札者は落札価格に手数料とVAT(付加価値税)がかけられ、また落札価格の20%ほどがサザビーズに入ります。
さて、そんなサザビーズですが、ニューヨークにあるサザビーズは6月17日に起業家パトリック・ドライ氏設立の買収目的会社に身売りしました。
買収目的会社に身売りとは一体どういうことか?
買収目的会社はSPAC(pecial Purpose Acquisition Company)と略されます。
Purposeは目的、Acquisitionは取得するとい言う意味ですね。その名前の通り会社を買収する目的で設立される会社です。
普通、会社というのはどのような事業を行っていくのか?というのがありますが、買収目的会社には「何の事業を行うか?」という部分は空白です。
だからこの時点ではペーパーカンパニーみたいなものです。
ペーパーカンパニーは特定の事業を行う為に設立するのではなく、別の目的の為に会社を設立をします。
例えば、マネーロンダリングと言って、一度資金をペーパーカンパニーに挟んで、資金の流れを分かりにくくしたりする為に設立したりする事があります。
買収目的会社は「買収目的会社」というペーパーカンパニーを設立した後に企業を買収します。そしてその買収した事業を引き継ぐような形で事業を行なっていくわけですね。
会社を買収するにはその買収する株式を半分以上持てば実質、会社を乗っ取れます。さらに3分の2以上持てばより強固に会社を乗っ取れます。
何故なら株式を沢山保有している人に権利が与えられるからです。
なんか黒い感じがしますが、そうではありません。
これも資本主義の国である以上は普通の事です。
アメリカではこのような会社が上場(証券取引所で株を売買できること。株を売買できると言うことはしっかりと株式上場の条件を満たしており、投資家を保護できる優良な会社と見なされます。)もしています。
そして、上場後に企業を買収します。
今回買収したのはパトリック・ドライ氏が設立した買収目的会社です。ドライ氏はヨーロッパの通信事業会社の有力者で、ビリオネアですね。
フランスのアルティスという会社の創業者でもあります。
この買収目的会社が37億ドル(約4000億円)で買うとい言い、サザビーズは売ります!と合意したわけです。
サザビーズは上場していましたが、非上場企業となり、オーナーがドライ氏になります。
これが今回のニュースですね。
▼大佐のブログが本になりました。

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ブログ管理人:大佐

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2019/06/20(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)