イランのロウハニ大統領が、今月7日から、合意で制限されているウランの濃縮レベルを必要なだけ引き上げていくと表明しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
まずイランがどこにあるかを確認しましょう。
トルクメニスタンやアフガニスタンといった国に隣り合った国です。最近起きた日本のタンカー爆破事件のホルムズ海峡も有名ですよね。
イランとアメリカは非常に仲が悪いです。
昔は仲が良くてイランは親米国だったんですが、
アメリカがイランの石油利権を獲得しようとして仲が次第に悪くなってしまいました。
これにより、アメリカに不満を抱いた国民によってイラン・イスラム革命が起こり、反米国となってしまいました。
そしてお互いに国交断絶してしまったのです。
それから時が経ち2002年なりますとイランにこのような疑惑が持ち上がります。
「イラン、核兵器作ってんじゃね?」
この疑惑によりイランを探った所、実際に核施設があり、ウランも検出されました。
イランは「原子力発電に使うので平和利用の為に作った」と反論しましたが、石油が大量にある国で原子力発電はないだろう・・と世界は疑いました。
イランは周辺国と仲が悪いのでイランが核兵器を持ってしまうと、周辺国も自国を守る為に核兵器を持ってしまうようになるので、非常に面倒な事が起こってしまいます。
そこで、欧米諸国が経済制裁(輸出を禁止させたりして経済的にダメージを与える事)を行い、様々な国にイランから石油を購入する事を禁止しました。
イランにつくか?欧米諸国につくか?と言われたら皆さんも欧米諸国についてしまいますよね。
イランは石油を輸出してもだれも購入してくれないので、経済が一気に傾いてしまい、国内で急激なインフレとなってしまったのです。
インフレとはモノの価値が上がり貨幣の価値が落ちる事です。今まで100円で買えていたモノが300円払わないと買えないと言う状態です。
こうなるとイランにとっても経済制裁は痛手ですし、イランから石油が輸出されないと、違う国から石油を輸入しなくてはいけない国もあるので、話し合いが行われたのです。
そして話し合いの結果、2015年に「イランの核合意」がされて経済制裁が解除されたのです。
イランの核合意とはこの内容で約束するから、経済制裁を解除して下さいと言うものです。
内容はこんな感じです。
●ウラン濃縮やプルトニウムを作る活動を縮小すること
●貯蔵していた10トンの濃縮ウランを300キロ以下にすること
ウラン濃縮とは各燃料を取り出す時に行う工程です。
ウランと言っても種類が沢山あるのですが、その中で核分裂を起こすのが「ウラン235」と言う種類です。
核分裂を起こさせるにはウラン235を高濃度に濃縮しなくてはいけません。
これは原子力発電に使用する場合も一緒です。
イランは核合意によってウラン濃縮を制限されていて、アメリカもちゃんと行なっている事は認めていました。
しかしその時は前大統領のオバマ政権時です。
トランプ大統領に変わると、「イランの核合意は穴だらけだ!」と言って、イラン核合意から離脱してしまいました。
そしてアメリカはイランへ経済制裁を復活させてしまったのです。アメリカが経済制裁を行えばやはりアメリカ側につく国が沢山出ます。
イランにとっては約束を守ってるのに経済制裁を行われた為、これじゃあもう意味ないね!と言う事で、今月7日からウランの濃縮レベルを必要なだけ引き上げていくと表明したのです。
これが今回のニュースですね。
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2019/07/05(金) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)