今月21日に参議院選挙が行われます。
すでに期日前投票を済ませた人は全国で141万人余りとなっています。
今回は参議院選挙の仕組みについてわかりやすく解説していきたいと思います。
日本には衆議院と参議院の2つがあります。
これを二院制と呼んでいます。
なぜ2つあるかと言いますと、例えばある法案を可決したい場合にこんな事をしたいからです。
①1つの議院で決めた事をもう1つの議院がチェックして慎重に決めたいから。
②1つの議院で決められた事に対して行き過ぎないように抑制したり、不足部分を補いたいから。
③国民の意見を広く反映したいから。
①.②はわかるとは思いますが、③に関してはどう言う事かと言いますと、これは主に衆議院の事を指しています。
衆議院の役割は主に「こんな事をしたい!」と提案して、話し合う事です。
任期は4年間です。
4年経つと強制的に解散となりますが、その他に内閣不信任決議案が可決した時も解散となります。
内閣不信任決議案の可決とは衆議院にいる議院さんが51人以上賛同すると発動されて衆議院の過半数が賛成すると解散する仕組みの議案です。
今のままの政治じゃダメなんじゃないの?
という事で内閣不信任決議案を提出して解散させるのです。
解散したあとにはまた選挙が行われて、議員が変わったり同じ議員が選ばれたりもします。
議員が変わると今の政治じゃダメだったという事になり、同じ議員が選ばれると言う事は今の政治で良かったという事になります。
選挙で投票された結果によって国民の意見が反映されたと言う事になります。
では参議院はと言いますと、6年の任期があり、その間は解散がありません。
参議院の役割は衆議院で出された議案を主にチェックをする事です。
参議院がコロコロ変わってしまうと、衆議院で出された一つの議案を充分にチェックする事ができませんよね。
また衆議院が解散してしまうと、議員がいなくなって国会が機能しなくなってしまうので、その空白を埋めるためにも衆議院より任期が長く解散がないのです。
参議院の人数は242人で、(衆議院は465人)6年経つと242人全てが入れ替わるわけではなく、3年ごとに半数の121人が選挙によって選ばれます。
参議院の選挙方法は2つにわかれます。
●選挙区制
●比例代表制
まず選挙区制から説明して行きましょう。
選挙区というのは議員さんを選び出す為の一定の基準で区分したものをいいます。
単位みたいなもんですね。
参議院の場合は各都道府県で1つずつ選挙区が置かれています。例えば静岡県だったら1つ選挙区があります。
つまり全国で47選挙区があるわけですが、2016年から45の選挙区しかありません。
これは過疎化で鳥取県・島根県と高知県・徳島県をくっ付けて「合区」としてるからです。(この4県は全国でワースト4位を占める人口が少ない県です。)
また1つの選挙区で1人だけが選ばれるわけではなく、それは都道府県によって定数が決められていて人数が変わります。
東京だったら5人とか静岡だったら3人と言った具合ですかね。投票数が多い人から当選するシンプルな選挙で、今回の選挙区選の当選人数は74人となります。
選挙区制の選挙では投票用紙に「候補者の名前だけ」を記載して、投票箱に入れます。
↓こんな用紙です。
比例代表制は少しわかりづらいです。
比例代表制は各政党の得票率に応じて議席数(各政党の定数ですね。)を配分する制度です。
今回は50人が比例代表制で選ばれます。
まず、各党では比例代表制で出馬する候補者の名簿を予め提出しておきます。
名簿は2つ提出します。
●拘束名簿・・その政党内で優先的に当選させたい候補者を記載しておく名簿です。
(何人記載してもOK)
●非拘束名簿・・その政党内で優先ではないけど当選させたい候補者を記載しておく名簿です。
(何人記載してもOK)
参議院の比例代表制選挙では↓のような投票用紙に「候補者の名前」もしくは「政党名」を記載して投票箱に入れます。
なぜ名前か政党名どちらかを記載するかと言うと、まさに先程の名簿に関係してきます。
例えばA政党の拘束名簿に2人の名前があったとします。また、非拘束名簿に4人の名前があったとします。
●拘束名簿・・田中 鈴木
●非拘束名簿・・佐藤 橋下 中川 青山
私達(有権者)は先程話した通り、投票用紙に政党名か、各党の名簿に記載されている候補者名1名を記入しますね。
そしてA政党にたくさん票が集まり、4つの議席枠が取れたとします。するとまずは、拘束名簿の2人である田中さん、鈴木さんが優先して当選します。
その次に、非拘束名簿の中で個人名で投票数の多い候補者2人が当選するのです。(4人の中の2人が当選して2人は落選します。)
比例代表制でミソとなるのが、投票用紙に「政党名を書くか」「候補者名で書くか」で実は結果に差異が生まれます。
と言うのは、政党名だけを記入すると、「投票した政党だけに1票」入ります。
しかし、候補者名を書くと「候補者名と候補者が所属する政党に1票ずつ」入るのです。
つまり候補者名を書いてもらった方が政党にたくさん票が入る仕組みになっているのです。(政党側にとってはメリット。)
と言うことは知名度が高い人物が、ある政党から出馬すれば、その政党には沢山の票が集まり、議席枠げ増えて有利になる事になりますね。
これで参議院選挙に有名なタレントやスポーツ選手がよく出馬する意味がわかったと思います。(柔道の谷亮子さんやアントニオ猪木さんがいます。)
政党の票を獲得する上でこのような知名度が高い人が出馬させて政党の票をかせいでいる背景もあるのです。
ただ、こういった事があるので、比例代表制で名簿に載った人物が出馬した場合は演説会や選挙カーの使用、ポスターやビラの掲示・配布などの選挙運動ができないようにしています。
ともあれ、参議院選挙では選挙区制と比例代表制の2枚を投票箱に入れて、計124の議員が選ばれますので、是非選挙に行ってみて下さい。
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ブログ管理人:大佐

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2019/07/10(水) | 政治のお話 | トラックバック(0) | コメント(1)