南太平洋のソロモン諸島政府が、台湾と断交して中国と国交を樹立することを決めた事を明らかにしました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
まずはそれぞれの国の位置と歴史を地図と共に確認しながら簡単に解説していきましょう。
◼︎ソロモン諸島
ソロモン諸島はパプアニューギニアの東側にある1000以上の島からなる独立国です。人口は61万人で首都はホニアラ、公用語は英語ですが、独自の言語も使われています。
ソロモン諸島の中の一つの島、ガダルカナル島は第二次世界大戦中は旧日本軍とアメリカ連合国の激戦地でした。そしてもともとはイギリスの植民地です。
◼︎台湾
今の中国が「明(みん)」と言う国だった頃、台湾はオランダの植民地でした。その後、明が滅んでしまいますが、明を復活させようと鄭成功(ていせいこう)と言う人がオランダを追い出して今の台湾に拠点を置きました。
しかし結局は復活できず、明が滅んだ後に「清(しん)」と言う国ができて台湾は清に統治されました。
1894年になると今度は日清戦争が起こり日本の統治下に台湾は入ります。日本は教育やインフラ整備を行って近代化させますが、第二次世界大戦に敗北すると中華民国(清も滅亡して中華民国になります。)が統治しました。
この時に統治したのが中華民国の国民党、蒋介石(しょうかいせき)です。国民党の蒋介石は中国共産党の毛沢東(もうたくとう)と争っており内戦が起こってしまいました。
最終的には毛沢東が「中国人民共和国」を立ち上げ、追いやられた蒋介石は今の台湾で「中華民国」として統治する事になったのです。
最初は台湾の方が国際社会の地位が高かったんですが、1972年からは日本やアメリカが中国と国交を樹立した事によって台湾は次第に地位が低くなっていきました。
現在、中国は「台湾は中国の一部であり、独立国ではない」と言っていますが、台湾側は「独立した一つの国」と考えており、どちらも譲らず、これが問題になっています。
ちなみに台湾は国として国際的には認められていません。
ではソロモン諸国と台湾が国交断絶し、中国と国交をする事になったのは何故でしょうか?
ソロモン諸国と台湾は1983年から外交関係を持っており、中国とは国交関係がありませんでした。
ですがその後、中国が経済力を持つと太平洋諸国に積極的に働きかけを行い出しました。
ソロモン諸国もその中の一つで、例えばインフラ整備や多額のお金を出して支援をしてきました。
こうなるとソロモン諸国は大国である中国と国交を結ばない理由がありません。
しかし中国では台湾の問題があり、ソロモン諸国は古くから台湾と国交しているわけであって、非常に難しい立場です。
そして結局は台湾と断絶して中国と国交を樹立する道を選んだのです。
この背景には中国がソロモン諸国の国会議員を買収したとか、断絶を手引きしたと言う可能性があり、台湾は非難をしました。
中国がこのように太平洋諸国に働きかけたのは軍事拠点を置くのが理由の一つと言われています。
実は中国は南シナ海の島を埋めて軍事拠点にしようとしています。実際に既に中国の軍事施設があったりもしています。
こうなるとすぐ周辺国にとっては軍事的な脅威となってしまいます。
これが今回のニュースですね。
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2019/09/19(木) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)