アメリカのニューヨークで25日午後(日本時間26日)に開いた首脳会談で新らしい日米貿易協定についての共同声明に署名しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
日米貿易協定とはアメリカと日本で関税(輸入品にわざと税金をかけて自国のモノと同じ値段にして売り、自国のモノを守る事)や輸出入の制限を一定期間の間に撤廃したり削減する協定です。
アメリカで貿易赤字を引き起こしている国は中国、メキシコ、ドイツ、日本の順となっています。
2018年度のアメリカの貿易赤字は8787億200万ドル(約98兆4千億円)となり、トランプ大統領は対米貿易赤字を減らす為に、特に中国の輸入品に対して関税を追加したり高くしました。
これに対して中国もアメリカの輸入品に関税をかけて、両国で貿易摩擦が起きています。
安倍首相は今回の日米貿易協定で「両国にとってウィンウィンの合意となった」と話しましたが、どのような事が決まったのでしょうか?
●自動車の関税・・日本車に対して追加の関税は行わない。
日本にとって大きな焦点だったのが自動車の関税でした。しかし追加関税は行わず、また自動車や自動車の部品に対しても数量の輸入規制を行わないとしました。
ただし、このままではなくアメリカ側としては今後継続して交渉をしていくスタイルですので、将来的にはわかりません。
●豚肉と牛肉・・・TPPの水準に関税を引き下げ
TPPとは環太平洋パートナーシップと言って、太平洋に面してる12ヶ国が参加した偏った貿易にならないようなバランスのよい経済協定を結んだことです。(アメリカは2017年に離脱してます。)
日本がアメリカから輸入している豚肉にかけている関税はカナダやメキシコなどと同じ水準までに引き下げられる事になりました。
牛肉もオーストラリアやカナダと同じ水準までに引き下げられます。
どれくらいかと言いますと、豚肉に関しては1キロ当たり最大482円の関税だったものを、2027年度までに50円にすることになりました。
牛肉は38.5%の関税を日本はかけていますが、協定が発効すれば、26.6%に下がります。さらに2033年度には最終的に9%になります。
●お米・・関税は現状のまま
お米も非常に関心の高いものでした。
しかし、現在の1キロ当たり341円という高い関税がこのまま維持される事になりました。
また関税を課さないで最大で7万トンを日本に輸入してもらおうとなっていましたが、これも設けないことになりました。
●小麦・・15万トンの輸入が決定
日本はアメリカから15万トンの小麦を輸入する事にになりました。
日本で消費されている小麦の9割は輸入された小麦です。日本政府は小麦を一括して買い取り、国内の製粉会社に売り渡されています。
これは小麦の価格を安定させる為にこんな事をしているのです。
小麦には関税ではないのですが、事実上の関税がかけられています。
マークアップというものですね。
マークアップは政府が小麦を管理する経費や安い小麦が輸入されることによって潰されないように国内の小麦生産者に対してお金を支払っています。
この事実上の関税を2026年度までに今の水準から45%削減する事になりました。
●オレンジ、さくらんぼ、りんご、アメリカ産のワイン・・関税の段階的撤廃
現在の関税はこのようになっています。
オレンジ・・32%
さくらんぼ・・8.5%
りんご・・17%
これがオレンジは2025年度までに、さくらんぼは2023年まで、りんごは2028年までに関税が段階的に撤廃されます。
またアメリカ産のワインも750ミリリットル入りのものには94円の関税がかけられていますが、2025年度に段階的に撤廃されます。
と、この他にもいろいろありますが、消費者にとっては安くなることは嬉しいですが、生産者にとっては売れなくなってしまい頭を抱える事でもあります。
これが今回のニュースですね。
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2019/10/01(火) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)