ISの指導者、バクダディが潜伏先のシリア北西部で2人の妻と3人の子供とともに爆弾ベルトを爆破させ自爆しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。
IS(イスラム国)が誕生したのはイラク戦争が終わってからでした。
アメリカは2001年9月11日に起きた同時多発テロによる報復でアフガニスタンにいたアルカイダを倒しました。
そして、同じようにアメリカに対する脅威を排除しようと、イラクを倒す事にしたのです。
(名目は大量破壊兵器の保持などとしています。)
もともとアメリカとイラクとは仲が悪かったのですが、1990年の湾岸戦争でイラクがコテンパンにやっつけられてイラクは反感を持っていました。
そして2003年3月にイラク政権を倒すため、アメリカが主体となってイラクに侵攻しました。
イラクはあっという間に倒されてしまい、フセイン大統領は捕まえられ処刑されました。
イラクは確かに独裁政権により虐殺行為や他国への侵略を行なって来ました。
しかしイラクの存在は中東の複雑な宗教対立や民族紛争を独裁政権によって(無理矢理ではありますが)まとめて、中東のバランスを保つ為に必要悪な存在でもあったわけです。
そんなイラクが居なくなってしまった事によって、今まで影に潜んでいたISが台頭してきたのです。
イラクの旧政権はイスラム教の「スンニ派」でした。新しいイラク政権は「シーア派」です。
シーア派は預言者ムハンマドの血縁関係が指導者になるべきだという考えです。
一方、スンニ派は必ずしも血縁関係ではなく、相応しい人が指導者になるべきだと言う考えです。
イスラム教ではスンニ派が9割を占めておりシーア派は少数です。
イラク旧政権が崩壊すると、スンニ派だった地位のあった人物達は追放され、他方へ散り散りになってしばらく息を潜めていました。
そういったスンニ派の人達が集まって出来たのがISというわけです。
ISはアルカイダ系過激派集団と言われています。
9.11の報復で倒した勢力と合わさって「ジーハード(聖戦)」を掲げました。
そしてシリアの内戦で戦っていた反政府勢力をも吸収していき、油田を奪ったり宗教弾圧して勢力を広めて行きました。
このISのカリフ(後継者。ムハンマドの正当な後継者と名乗る人)が「アブバクル・バクダディ指導者」です。
バクダディは1971年にイラクのバグダッド北部、サマラ近辺の貧しい地域に生まれました。
2003年のイラク戦争で一度アメリカ軍に拘束されましたが、この時はあまり脅威のある人物ではないとされて1年後に釈放されました。
しかし、ISを建国して自らカリフと名乗り、少数派宗教の弾圧や外国のジャーナリストなどを人質として殺害した事で指名手配されました。
それでバクダディ容疑者と呼ばれ、2500万ドルの懸賞金がかけられて、捜索されていたのです。
バクダディ容疑者は潜伏先のシリア北西部で米軍の特殊部隊に追い詰められ、2人の妻と3人の子供とともに爆弾ベルトを爆破させ自爆したと報道されました。
これが今回のニュースですね。
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2019/10/30(水) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)