大手商社の伊藤忠商事とベンチャー企業が提携して
「全ゲノム解析」のデータを集めて、新薬の開発などに活用しようという事になりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。
まずは「ゲノム」について解説して行きましょう。
ゲノムとは遺伝子という意味のgene、染色体という意味のchromosomeの2つを合成した言葉です。
どちらもドイツ語です。
染色体は細胞の核の中にあります。
細胞は2種類あって、原核細胞と真核細胞に別れます。
原核細胞は単純な構造をしていますが、真核細胞には「核膜」という膜があり、体積も原核細胞に比べて一万倍くらい大きいです。
染色体は真核細胞にしかありません。
この染色体は46本あります。父親から23本、母親から23本、半分ずつ受け継いでいます。
この染色体の中に折りたたまれて存在しているのがDNAです。
DNAとは一言で表すと「設計図」です。
ロボットなんか作る時の設計図と似たような感じですね。
このDNAには4種類のA(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)という塩基物質があります。
塩基物資は酸と対になって働く物質なのですが、話がややこしくなるので省きましょう。そしてこの塩基物資はAとT、GとCが対になって羅列しています。
この並び順が「遺伝情報」です。
遺伝子とは遺伝情報の1つの単位で、人間には遺伝子が22000個あります。
もう少し言うと遺伝子1つが一枚の紙に記載されるものだと思って下さい。この遺伝子22000枚の紙がまとまり本となったものを「ゲノム」と言うのです。
ではゲノムを解析して行く事で何がわかるのでしょうか?
今までの研究結果では病気のリスクや体質の関係性がわかって来ています。
例えば将来ガンになるリスクが高いかどうかとかですね。ガンは細胞が際限なく増殖してしまい他の臓器などに入り込んで衰弱していく病気です。
原因は遺伝子の変異です。
普通は遺伝子が変異すると自然に修復されますが、ガンの場合は修復されません。
今までそのような変異してガンになると思われる遺伝子が数100個ほど見つかっています。
つまりゲノム解析してあらかじめ変異するような遺伝子を持っていりことを知っておけば、備える事ができたりします。
またお酒に強いか弱いかの体質や低血圧かどうかさえもわかったりするのです。
つまり全てのゲノムを解析してデータを集めて行けば、新薬を作り出す事も可能となるはずです。
そこで伊藤忠商事と、遺伝子の解析を手がけるベンチャー企業とが提携して、遺伝子のデータを管理するデータベースの構築に乗り出すことにしたわけです。
これが今回のニュースですね。
▼大佐のブログが本になりました。

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ブログ管理人:大佐

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2020/01/16(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)