トランプ大統領を罷免するかどうかを決める弾劾裁判の実質的な審理が始まる事になりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
弾劾とは官職(ある職についた国家公務員を基本的には指します)についた者に対して義務違反や違法行為などを理由に訴えをして、罷免(ひめん)などの処罰をする事をいいます。
罷免とは職を辞めさせる事ですね。
弾劾制度は14世紀のイギリスが発祥と言われています。
これは特定の人物に権力が集中されないようにする為に作られました。アメリカも大統領制を定めましたが、権力が乱用される事を防ぐために大統領を解任出来る制度を盛り込んだのです。
アメリカの憲法では下院が「弾劾の権限を専有する」と規定しています。
アメリカでは二院制と言う制度を取っており、一つのグループが法律を作った場合、もう一つのグループが審査をするような体制になっています。
日本でも衆議院と参議院の二院制ですが、アメリカの場合は元老院(上院と呼んでいます。)と代議院(下院と呼んでいます。)と分けています。
ちなみにもともとは元老院と代議員と呼んでいたのですが、日本では衆議院と参議院という固有の名称を使ってます。
上院は定数が100人で、アメリカの各州から2名ずつ選ばれます。(50州あるので100名ですね)
もしも何かを決める時、50対50になる事がありえますので、そう言う場合は副大統領が大統領に味方する党に一票いれて決着します。(トランプ大統領は共和党に所属してます。)
下院は定数が435人です。
各州の人口比率によって、Aという州は3人とかBという州は5人とか人数が決められて選出されます。
日本の二院制では衆議院の優越と言って、極端に言えば法案などを衆議院が作って参議院が反対しても、さらに衆議院がOKとしたら法案が通ります。
しかし、アメリカの場合はケースバイケースで、どちらも同じような権力を持っています。
さて、何かしらの悪い事を大統領が行なったとして弾劾制度が行われますと、先程あった下院が「弾劾の権限を専有する」という事で、下院から調査が行われて訴えを起こします。
そして上院には「すべての弾劾を審判する権限を専有する」と規定があり、上院が裁判をします。
この時に最高裁判所長官が議長となって行われ、出席議員の3分の2の同意があると有罪となります。
下院が起訴したのは1月18日です。
今回、トランプ大統領は権力乱用と議会妨害の2項目について大統領への弾劾訴追が行われました。
なぜ弾劾訴追される事になったのでしょうか?
発端はトランプ大統領とウクライナ大統領との電話会談にあったと言われています。
情報機関の匿名告発者から報告されました。
トランプ大統領は来年大統領選挙を控えております。
そこで政敵なるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子、ハンター・バイデンを汚職疑惑で捜査するよう働きかけたと言うのです。
つまり宿敵となりうる敵の弱みを握っておいて、先手を打とうとしたわけですね。
この引き換えにウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談を提示したと言われています。
この部分が権力乱用にあたると指摘されたのです。
またこれらの事を調査するとトランプ大統領がホワイトハウス関係者の証言を阻止するように働きかけたと言われています。
この部分が議会妨害とると指摘して、弾劾訴追が行われる事になったわけです。
審理は1月21日から行われます。
検事や弁護人、認められれば証人も出席して発言をして、上院は丸1日かけて審理を行なって有罪を認めるか採決します。
これが今回のニュースですね。
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2020/01/21(火) | 政治のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)