コクヨがぺんてるを敵対的買収で子会社にすることを目指していましたが、断念する考えを示しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
買収とは他の会社がある会社を買い取る事を言います。
なぜ買収などをして行くかと言うと理由は様々ありますが、少子高齢化の影響が一つとして取り上げられます。
少子高齢化で日本の市場規模だけでは頭打ちとなり、世界へ向けてグローバルな展開をして行かないと企業の存続が危ぶまれるからです。
コクヨ、ぺんてるは大手文房具メーカーですが、国内の文具市場も少子高齢化によって頭打ちです。
なぜ同じ文具メーカーであるコクヨがぺんてるを買収しようとしたか?それはぺんてるの海外市場への魅力です。
ぺんてると言えばサインペンが非常に有名な商品です。書きやすく持ち運びやすいサインペンを1963年に開発しましたが、当初は全く売れませんでした。
しかし試供品として配った所、たまたまアメリカの大統領報道官の手に渡り、それを借りた当時のジョンソン大統領が気に入り大量に注文したのです。
さらに宇宙飛行士までもが使用した事により、ぺんてるは大人気となり海外展開の礎を築いた訳です。
今では海外の20ヶ所に販売拠点を抱えて売上の6割が海外展開によるものです。
一方、コクヨは海外展開による利益が1割ほどしかありません。将来的に考えるとぺんてるは非常に魅力的な企業ですよね。
そこでコクヨはぺんてるを買収しようと考えたわけですね。
株主は持っている株数に応じて様々な権利が与えられます。何故なら会社は株主のものだからです。
例えば下の様な権利が与えられます。
●34%以上の株式を保有・・株主総会での議案に対して拒否権を持つ事ができます。拒否されれば議案は通りません。
●51%以上の株式を保有・・経営権が与えられます。取締役の選任する事などができます。
●67%以上の株式を保有・・ほぼ何でもできます。何故なら34%の保有で拒否権があるので、67%の保有では誰からも拒否されないからです。
会社の定款(会社の憲法みたいなもの)さえも変更ができます。
●100%の株式を保有・・何でもできます。
コクヨはぺんてるの株式を37.8%まで保有しており、さらに買付を行い46%までは持つ事ができました。
しかしこれ以上の株式の買い付けができませんでした。
何故ならぺんてると仲が良いPLUSという会社が買収されないようにぺんてるの株を買い増ししたのです。
PLUSはもともと13.5%の株を保有していましたが、20%以上を買い増ししたのです。この様な状況になると、これ以上の買い増しは物理的にほぼ不可能です。
51%の経営権の獲得まであとわずかでしたが、コクヨは断念したのです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2020/02/17(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)