国と地方協議の場で若手の医師らに一定期間、医師不足地域で勤務を義務付ける制度などを求める声が出ました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
医師の数は現在32万人ほどです。
実は毎年、医師の数は増えています。
それなのに医師不足が叫ばれているのですが、医師不足として問題になっているのが都市部に医師が偏ってしまっている事です。
まずは人口10万人に対し、各都道府県の医師を多い順に数を見ていきましょう。
◾️東京・・329.0人
◾️京都・・314.9人
◾️福岡・・300.5人
◾️沖縄・・279.3人
東京はわかりますが、意外に沖縄が多い事に気付きますね。ではここからが最下位付近の都道府県になります。
◾️青森県・・172.1人
◾️新潟県・・169.8人
◾️岩手県・・169.3人
最下位は岩手県となるわけですが、東京と比べますと同じ10万人に対し、169.3人しかいません。
なぜこんな風に都市部に医師が集中してしまっているのでしょうか?
医師不足と言われる様になったのは2004年からです。この年に何があったかと言うと「臨床研修制度」と呼ばれる制度が導入されたのです。
この制度が導入される前は自分の出身大学の医局へ研修医(2004年前までは研修医という言葉もなく、新人医師と呼んでました)は行っていました。
医局と言うのはそれぞれの大学にある部活みたいなものですね。
医者にも眼科や外科、内科と言う様に専門分野あって、それぞれの医者が内科なら内科同士でグループを作っています。
これが医局です。
研修医は2004年前までは自分が卒業した大学の自分の学びたい分野のグループに入るというのが通例だったのです。
医局では「人事権」と薬や医療機器の「採用権」を握っていたので物凄い権力を持っていました。
人事に関しては医局のトップが決めており、医局に来た研修医をどこの病院に行かせるか悩んでから、振り分けていたのです。
本人の意思が尊重されない事もありますので、強行的なやり方かもしれませんが、これにより医師が都市部に偏る事があまりなかったのです。
所が、研修医制度が始まり出身大学に限らず研修医はどこの病院にも好きに行く事ができるようになったのです。
そうなると必然的に教育や勤務条件が良い民間の所の病院(医局)に集まる様になってしまったわけです。。
これが医師の偏りを引き起こしてしまっているのですね。
そこで政府側と地方の代表が集まって、医師不足をなんとか解消できないかと協議の場を作って話し合ったわけです。
地方側からは、若手の医師らに一定期間、医師不足地域での勤務を義務付ける制度などを求める声が出されました。
政府側も検討して行きたいとして、今後の医師不足について考えて行く事になったのです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2020/02/28(金) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)