日銀がETF(上場投資信託)を1000億円余り買い入れたと発表しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
今、日本の日経平均値は19860円ほど(2020年3月10日)。
つい先月まで24000円ほどもあったのにコロナウイルスの影響で4200円も下がってしまったのです。
日経平均値とは株価の指標を表すものですね。
日本経済新聞社が上場(証券取引所で株を売買できるようにする事)した1700ほどある会社から日本を代表する225社を選んで平均値を出したものです。
ちなみにアメリカではダウ平均株価で指標していますが、これも同じ事でダウ・ジョーンズ社が代表する30社を選んで平均値を出したものです。
日経平均値が下がれば大体が「不況となっている」を表していると言っていいでしょう。
なぜなら、会社の業績が悪いので株を購入する投資家がいなくなり、企業は投資家からのお金が集まりません。
そうなると企業はお金がないので新しいモノを開発したり販売できず、儲からないので従業員の給料を減らし、みなさんは給料が減るので買い物をしなくなります。
そしてお金を貯め込む傾向となり、経済が回らなくなってしまう・・と言うわけですね。
不景気はこの悪循環が続いてしまうので、政府や日銀(中央銀行)が経済のテコ入れをするのです。
今回日銀がおこなったETF(上場投資信託)の買い入れもコロナウイルスによる経済へのテコ入れです。
ETFはExchange Traded Fund の略です。
「投資信託」と言うのは、投資のプロにお任せして運用してもらう金融商品です。故に持っているだけで信託報酬という投資のプロへ払うお金が発生します。
株の場合は購入時と売却時に手数料が取られるだけですね。
一口にETFと言っても実は種類が沢山あります。
例えばこんな感じ。
◾️JPX日経400
◾️TOPIX
など・・
ですからETFというのは総称であって、特定の投資信託を指しているわけではなく、ETFの中の上の様な金融商品を日銀が購入しているのです。
種類は沢山ありますが、ETFは基本的に日経平均株価やダウ平均株価、東証株価指数などに連動します。
(東証株価指数とは東京証券取引所が上場会社1700社全てを対象として算出している指標で、225銘柄だけをピックアップしてる日経平均株価と違って市場全体を表す指標と言われます。)
また、ETFは複数の上場会社から構成されているので、株の様に一社を狙って投資するのではなく、複数の会社を狙って投資するので、分散して投資している事になります。
分散する事でリスクを減らす事ができるのです。
(ある一社だけの株を買って万が一倒産したら、株価が0になってしまうリスクがありますからね。)
これら金融商品はもちろん株と同じように私達も証券会社で購入する事ができます。
さて、日銀がETFを購入するとどうなるか?
日銀がそもそもETFを購入するのは「世の中に出回るお金を増やす」事が目的で購入します。
先程話した通り、日本の経済のテコ入れをする為です。
ETFは複数の上場会社から構成されていると言いましたね。
つまりETFを購入する事は、ETFを構成している上場会社の株を一つ一つ購入しているのと同じ事なわけです。
株を沢山買えば株価が上がり、投資家の購買力を注ぎます。
じゃあ上場会社の株を普通に買えばいいじゃん・・と思うかもしれません。
しかし日銀はトヨタ自動車とか、ユニクロなどの特定の上場会社の株を購入する事が禁止されています。
そんなことをしたらその会社だけ大きな資金が集まってしまいますし、「世の中に出回るお金を増やす」という目的が失われてしまうからです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2020/03/11(水) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)