中国政府が日本から中国へ渡航するビザの発給手続きを停止したことがわかりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
パスポートとビザって何が違うんだ?
と思った方は多いのではないでしょうか。
パスポートは手続きをして国内のパスポート申請窓口へ行って取りに行くかと思います。
何故かというと自国内で発給されるものだからですね。
パスポートは国外へ出るための身分証となります。
一方ビザは入国を希望する国から発給されるものです。
だから行こうとしている国の在外公館(領事館や大使館又はビザ申請サービスセンター)で手続きが必要になります。
(外国に行かないと取れないというわけではなく、日本にある在外公館やビザ申請サービスセンターでも取れます。)
なぜこんなものを発給するかと言いますと、例えば日本に来る外国の方は誰でも入国していいよ~ってなりますと、怖くないですか?
不法就労の為や犯罪者でも誰でも入国出来てしまったら困るので、入国してくる国の人の身元を審査するってわけです。
この審査に通れば許可されてビザが発給されます。
あれ?前に外国へ行った時にビザなんて申請したっけ・・・?と思う方もいるかもしれませんが、日本人が海外へビザなしで行ける国はすごくたくさんあるので(190ヵ国くらい)、皆さんが行った国では申請が不要だっただけなんです。(アフリカ地域に行く場合はビザが多いですね。)
それにビザは一定の日数以上の滞在により、ビザを取得しないといけないといった決まりがあったりもします。(国によって日数は変わったりします。)例えば中国に観光で15日間以上滞在したい!と言う場合には観光ビザを申請する必要があります。
2~3日行くくらいではビザは必要ないわけです。
ではニュースに戻りましょう。
今回ニュースになっているのは中国が日本人のビザの発給手続きを停止した事です。
なぜこのような事をしたのでしょうか。
日本も中国も爆発的にコロナの感染が増えていますが、中国人が日本へ入国する際の措置としてこのようにしていました。
2022年12月30日~
入国者を対象にして抗原性検査キットによる簡易的な検査をし始めました。
今もそうですがこの頃の中国はものすごく感染者が増えてしまっていたからです。
これで陽性となった方は待機室で隔離する措置も行っていました。
2023年1月8日~
翌年の1月8日からはもうちょっと入国の際に検査と措置を強化しました。
さらに精度の高い検査(抗原性検査とPCR検査)を行い、中国から直行便からの入国者に対して、72時間以内に受けた検査結果で陰性であることの証明書が無ければ入国をさせない措置も取るようになったのです。
また、中国からの国際線も成田空港・羽田空港・関西空港・中部空港の4つに限定しています。
ただ、検査が強化されたからというだけではなくもうちょっと複雑な話があります。
中国にはマカオと香港という「特別行政区」と呼ばれる場所があります。
マカオは旧ポルトガルの植民地、香港はイギリスの植民地でした。
長い事、その国の法律や生活様式でマカオと香港は栄えていましたが、その後に中国へ返還されました。
しかし、いきなり今から中国の法律や自治権でやってくださいと言われても、そんな簡単には変えられないので、この2つを「特別行政区」として、とりあえずは従来の法律や自治権を中国が認めている場所です。
中国政府からは「ここは中国のものなんだから中国に従ってもらうよ?」と圧力をかけているのですが、マカオ・香港にいる住人は(全部ではないですが)、「ここは中国ではない。別の国だと認めなさい!」と主張して対立が起こっています。
日本やアメリカはマカオや香港を推しメンにしているので、中国からすると推しメンにしている日本やアメリカを良く思っていません。
このマカオと香港に住んでいる方達が日本へ入国する場合は、先ほどと違ってちょっと入国に関して緩いです。
中国本土に7日以内の渡航歴がなければ、空港で検査して問題なければ入国が認められています。
また、4つの空港だけでなく地方の空港でも入国をOKとしています。
「日本の対応は単なるコロナ措置ではなく、政治的な要素が含まれる!」
という事で対抗して、中国も日本人のビザの発給手続きを停止するという事になったわけです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2023/01/11(水) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)