2023年1月11日に日本とイギリスで「円滑化協定」が結ばれました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
円滑化協定はRAA(Reciprocal Access Agreement )とも言います。
よく日本とアメリカで合同軍事演習を行ったとか、来月韓国とアメリカで合同軍事演習を行うというニュースが流れますね。
有事の際にお互いの国と国が連携・協力して行くために行います。
もちろん訓練のためにするのですが、もう一つは政治的な意図があります。
仲の良い国同士が合同軍事演習を敵対国の地理的に近い場所で行うと嫌がります。
例えば韓国領土内でアメリカと韓国が合同軍事演習を行えば北朝鮮・中国・ロシアに圧力がかかります。
なぜなら「いつでも(有事の際は)準備はできていますよ」という圧力になるからですね。
また国によって合同軍事演習への反応は違いますが、日本の場合は「軍国主義を助長している!」と反対する方もおられるので、演習の前に「アメリカと実施しますよ」と、事前に報道したりもします。
2つの国同士で行う事もあれば複数の国同士が集まって大規模な演習も行われることがあります。
この合同軍事演習ですが、「来月一緒に行おうぜ!」と簡単に言うわけは行きません。
それぞれの国の法律が絡んだりしてきますので、双方の国で事前にさまざまな取り決めをしなくてはいけなくなります。
そこで日英円滑化協定を取り決めて、合同軍事演習がしやすい様にいろいろと簡素化できるようにしたのです。
内容はこんな感じ。
・相手国に一時滞在する際の出入国時のビザの取得や審査、出国手続きを簡素化します。
・武器弾薬や装備品の持込手続きを簡単にします。
・もしも部隊が事件・事故を起こした時に相手国の法令を尊重しましょうという義務。
・相手国に滞在中の資材などの購入や・利用の際の課税(税金ですね)を免税にしたり減税にしたりしましょう
・相手国での運転免許、資格に関する取決め
・合同演習の際、自国の費用の負担の取り決め
・環境や人の健康の保護にに対しての取り決め
※詳しくは外務省のホームページで見れますけど、内容が難しくてわかりにくい
この円滑化協定は軍事同盟を結ぶとか防衛協定を行うという事ではありません。
あくまで円滑化するということなんですが、見方によってはそんな風にも見えてしまいますし、円滑化協定を結ぶことによって、ウクライナ侵攻を続けるロシアや、台湾への軍事的な圧力を強めている中国をけん制する狙いもありますね。
日本が円滑化協定に署名するのはオーストラリアに続いて2カ国目となります。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2023/01/13(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)