総務省が1月17日に、格安スマートフォン会社にも携帯電話番号を直接割り当てる「電気通信事業法施行規則」などの改正案を有識者会議で提示しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
スマートフォンって「スマホ」って皆さん訳してますね。
「スマートフォン」という言葉は2010年頃から言われるようになったのですが、これがやっぱり長い名前なので2011年の夏ぐらいでしょうか、「スマホ」という言葉を使う様になりました。(ちなみに「スマフォ」で浸透させようとパナソニックがしたのですが失敗。)
スマホの話になりますと「キャリア」と言う話がたまに出てきますね。
「そのスマホ、キャリアどこ?」といった具合です。
キャリアというのは「career(経歴)」ではなく、「carrier(運搬人、運ぶ人)」の方の意味です。
何を運ぶのかと言うと音声やデータ、信号と言ったものですね。
これを運ぶには通信設備が要ります。
この通信設備を所持している通信事業者の事をキャリアと呼んでいるんですね。
キャリアと呼ばれる具体的な会社はこの4つの会社の事を指しています。
・NTTドコモ
・au
・ソフトバンク
・楽天(楽天は参入したばかりなので上の3つだけを指したりすることもあります。)
そしてスマホ本体を作っている会社の事をメーカーと呼んでいるんです。
(SONYとか富士通、サムスン電子などがそうですね。)
月額利用料金の安い格安スマホが出てきたのは国が「もっと携帯の料金安くせぇや」と働きかけたことに始まります。
基本的に何かを安くするには、たくさんの会社が参入して価格競争していく事で安くなることが多いです。
しかし、当時はNTTドコモ・au・ソフトバンクしかなかったのですが、3社では競争が起きにくい環境ですし、通信設備を作ったり、ノウハウがなかったり、そもそも電波は有限なので「うちの会社はこの周波数帯域(電波)を使います。」となると参入したくてもできなかったのです。(本当はもうちょっと工夫すれば周波数帯については解決できるのですが、変な利権とかが絡んでいます。)
そこで、通信設備を持っている携帯電話会社から回線だけを借りて、通信事業が運営できるように、仮想移動体通信事業者「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」を誕生させたのです。
回線を借りるだけなら、そこまでノウハウは必要もないですから通信事業を行う事が出来ますよね。
だから月額利用料金を安く提供できる、OCNモバイル、BIGLOBE SIM、楽天モバイルと言った格安スマホの通信事業者が参入しやすいようになったのです。
ところで本題のニュースにあるように、「格安スマートフォン会社にも携帯電話番号を直接割り当てるようにしていく」というのはどういうことなのでしょうか。
皆さんがどこかの格安スマホの会社に乗り換えを行うとしましょう。
この時、基本的には電話番号を変えずに前の電話番号と同じ番号を引き継ぐと思います。
そして無事に契約が終わると、SIMカードというのを携帯に挿して、電話が使えるかどうかチェックをしますよね。
SIMカードと言うのは契約者の電話番号やどんな料金プランで契約されていているかと言った情報が記載されています。
(昔はSIMロックと言って他の携帯電話会社のSIMカードが使えないようにスマホ自体にロックをかけていました。
ですが2015年にSIMロックの解除が義務付けられたので、他の通信事業者を選べるようになり、格安スマホが実現できているんです。)
なんで電話番号が引き継げるのかと言いますと、実はこの電話番号というのは大手4社のキャリアが提供している番号なのです。
といいますのは、電話番号の割り当てを受けるには、通信用基地局の免許を持つことなどの条件があり、総務省の電気通信番号計画というものに基いて、電話番号を割り当てられるようにしているようにしています。
これが許可されているのは、先ほどの大手の4キャリアしかないのです。
だからどんな格安スマホの会社と契約しようとしても、基本的に同じ携帯番号を引き継ぐことができるのです。
その証拠に電話番号だけ見ればどこの大手キャリアかがわかります。
通信回線の他に、電話番号も借りているというイメージですね。
格安スマホの会社でも必要な設備を整備さえすれば、自社で番号を持つことができるようにしましょうということを有職者(大学の先生とか専門家、政府の方などを指します)を集めて話し合ったというわけです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2023/01/20(金) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)