ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が米国政府から制裁措置が行われました。
今回はこのニュースをわかり易く解説して行きたいと思います。
世界には145社ほどの民間軍事会社が存在していると言われています。
(ただし正規の民間軍事会社ではなかったりで、正しい数はわかっていません。)
民間軍事会社というのは戦争によってビジネスを行っている会社です。
普通は戦争となると、その国の正規軍(軍隊)が戦ったり物資を運んで後方支援をしたりするわけですが、そういったことをアウトソーシング(委託)して報酬を払うという仕組みですね。
いわゆる「傭兵(職業軍人)」と言うのですが、実は傭兵という定義付けって結構難しいんです。
国際法では以下に当てはまる事を「傭兵」と定義付けされています。
①戦争で戦うために現地または国外で特別に雇用されている。
②主に戦争によってお金を儲けたいという願望で敵対行為に参加しており、紛争当事者の軍人の階級や似たような任務に就いている戦闘員に対して支払われる報酬額に対して相当上回る額を支給されること
③紛争当事者の軍隊の構成員ではないこと(つまり軍隊の中には編入されていないです。)
④紛争当事者の国民、紛争当事者が支配・占領している場所に住んでいる住民でもないこと
⑤紛争当事者でない国が自国の軍隊の構成員として公の任務で派遣した者でないこと
必ずしも民間軍事会社に雇用されているからと言って傭兵と定義づけられるわけではなく、例えば食料物資などを戦闘員に補給しているような事をしている場合は傭兵とはならないわけですね。
しかし、民間軍事会社が軍隊に編入されている場合は、そういった事をしていても傭兵とみなされることもあります。
国際法では「傭兵の募集、使用、資金供与及び訓練を禁止する条約 」があり1989年に採択されました。
傭兵を募集したり、使用、支援、訓練すること、戦闘に参加する傭兵に対して処罰がされます。
この条約に対して批准(条約内容に対して国が最終確認の同意を成立すること)している国は26ヵ国ですが、ロシアやアメリカと言った国は批准していません。
ちなみに日本も意外ですが批准していません。
なぜかというと自衛隊は攻撃をすることが原則できないので、例えばイラク戦争の際は民間軍事会社に護衛などをしてもらって物資を運んだりしなくてはならず、批准してしまうとそういった事が出来なくなってしまうからですね。
この「ワグネル(ワグナーグループもしくはワグネルグループ)」というのはロシアの民間軍事会社と言われています。
言われているというのは、プーチン大統領、そしてロシア政府はこの会社自体存在しないと否定しているからです。
ワグネルは今まで中東やアフリカの紛争地帯で活動し、拷問や処刑といった戦争犯罪を行ったと言われていて、この創設者が
「エフゲニー・プリゴジン」です。
現在、ロシアのウクライナ侵攻でワグネルから5万人を配備していると言われ、この中には囚人もいると言われています。
拷問や処刑をするような組織は許せん!
と思う方もいますが、実態はロシアの非公式の民間軍事会ではあるものの(と言われています)、先ほど申しました通り、ロシア政府は「ワグネルなんて知らねえ」と存在を否定している姿勢ですので、ロシアを直接非難するという事がしにくいのです。
と、いいますかそれもロシアの狙いの一つで、何かワグネルが問題を起こして各国からロシアが非難されたとしても「知らない」で曖昧に出来るので、ロシアとしては都合がいいわけです。
ロシアを非難してもロシアが認めてないならば「直接にワグネルに制裁措置をしよう。」
そういった事でアメリカ政府は以前にワグネルへ制裁措置を行っていました。
そしてさらに今月の21日、アメリカ政府はアメリカ国内で資産を凍結(銀行に命じて銀行口座からお金を引き出すことや他の口座へ送金することをできなくしたりすること)し、ワグネルへの資金、商品、サービス提供を禁止する新たな制裁措置を行ったのです。
理由としましてはワグネルがウクライナ侵攻によるロシア軍を強化するために、北朝鮮から武器の提供を受けたとの事です。(北朝鮮は否定)
これに対してエフゲニー・プリゴジン氏は反論をしています。
これが今回のニュースですね。
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2023/01/23(月) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)