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中国への最先端半導体輸出制限についてアメリカに日本とオランダが合意したニュースをわかりやすく解説して下さい

 日本とアメリカ、オランダで、中国半導体輸出規制に合意しました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。


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電気を通す物体を「導体」といいます。
まったく電気を通さない物体を「絶縁体」といいます。
その2つの中間の性質をもつものが「半導体」です。

半導体はある条件のときのみ電気を通す、通さないという事が出来る特性を持っています。
が、わかりにくいので「半導体集積回路」と呼ぶと、写真の様にイメージしやすいかと思います。

どういう仕組みで電気を通すと通さないという話は長すぎるのでとりあえずおいておいて、半導体は生活用品のあらゆる場所に使われております。

車や電子レンジ、テレビ、エアコン・・・こういったモノの電子部品によく使用されています。
半導体がないと、私達はもう文化的な暮らしをすることができません。

そんな半導体ですが「半導体不足」というニュースを耳にしたことがある人も多いと思います。

半導体不足は2020年の秋ぐらいから起き始めました。

コロナで経済活動が縮小し、世界中の半導体製造会社も「これ、大量に製造してたらマズイんじゃないか?」と需要が減る事を懸念して半導体の増産に踏み込まなかったのです。

ところが、在宅勤務に使うためにパソコンやスマートホン、接触を避けるために車を購入する人が大量に増えて、半導体が必要となってしまったのです。さらに工場は従業員のコロナ感染を懸念して生産をストップ。
半導体不足が起こってしまったのですね。

しかし、これはコロナも原因ではあるのですが、
この前に起こっていた中国とアメリカの熾烈な貿易摩擦が非常に関係しているのです。

トランプ大統領時代、アメリカと中国の間で「貿易していても相手国ばかりが儲かっている!理不尽だ!」という事で、様々な製品の輸出規制を行いました。アメリカが中国の製品を規制すると今度は中国がアメリカの製品を規制する・・・と言った感じですね。

もちろんそれは半導体にも及び、輸出入の禁止と言った規制で泥沼の戦いになってしまったのですね。
この規制が世界の半導体の需要のバランスに大きく影響し、追い打ちでコロナが発生してしまったのです。

アメリカは2022年10月にアメリカ国内でこんな規制を行いました。

・中国に最先端半導体(今までより高性能な半導体)や半導体製造装置(半導体を作る機械とか)を輸出するのはアカンで
・中国国内で特定の集積回路の開発や生産を支援するアメリカ人やアメリカ企業は許さんで

といった規制です。

理由は米国産の製品や技術を用いた製品が、、大量破壊兵器を含む軍事システムに使用されているという理由です。
要は中国がこういった最先端の半導体などをアメリカから輸入して、自国や密かにつながっている国に売って、そういった国がミサイルや兵器に利用しているから規制をしたのです。

ただもちろん、それもあるのでしょうが(中国は否定しています)、もっと重要な理由が他にあるとされています。

もはや世界の主導は中国になろうとしている状況です。
コンピューター分野もすごい勢いで成長をしています。

ですが、先端半導体の製造は台湾や韓国、半導体の設計はアメリカ、半導体製造装置は日本やオランダに強みがあります。
中国はどの分野においても今の所あまり得意ではありません。
中国は自国で使う先端半導体は台湾から輸入していますし、自国の半導体産業で使う設計データや半導体製造装置は西側諸国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、韓国、といった資本主義諸国)に依存しています。

アメリカだけでなく日本やその他の国でも、中国がその分野で覇権を握るのを恐れていますので、一緒に輸出を規制をすることで、中国の成長を阻害する事が出来て、その間に他の国々が最先端半導体の製造といった技術が向上できれば、中国の参入が難しくなるわけです。

ただし、この理由は正式な理由ではなくあくまで裏の思惑とされています。

軍事システムに使用されているのはよくない!
こうして日本やオランダは輸出規制に対しアメリカに合意したというわけです。

これが今回のニュースですね。

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ブログ管理人:大佐
大佐
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2023/01/29(日) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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