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関西電力が顧客情報を不正に閲覧していたニュースをわかりやすく解説して下さい



 関西電力が子会社が持つ送配電会社で競合他社の顧客情報を不正に閲覧していたことが問題となりました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。

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関西電力株式会社は従業員数8,633名、グループ企業は102社ある大きな電力会社ですね。
この会社が大きな不正を行っていたことが発覚したのです。

何をしたのかというと、送配電子会社が管理する送配電システムを通じて2016年から2022年12月まで新電力の顧客情報を不正に閲覧していたのです。

私達の家に電気が運ばれる為にはこのような工程があります。
①発電所で電気を作る
②送電線で電気を運ぶ(この時はとても電圧が高いのでそのまま家庭では使えない)
③変電所で家庭で使えるくらいの電圧に変換する
④配電線で家庭に送る

そしてこれは3つの部門で分けられています。

・発電所で電気を作る「発電部門」
・送電線・配電線などを管理して物理的に電気を家庭に送る「送電線部門」
・料金メニューの設定や、契約手続といったサービスを行う「小売部門」

もともとはこれら3つの部門は大きな電力会社で全て行っていました。
そして私達は関東に住んでいるなら関東電力、関西に住んでいるなら関西電力と言った感じで必然的に住む地域にある大手電力会社と契約をするしかありませんでした。

しかし電気は生活に必要不可欠。大手の電力会社が独占して行っていれば電気料金は大手電力会社の言い値で払うような傾向になってしまいますし、電気料金が安い会社と契約したいと思ってもできません。

そこで、発電部門と送電線部門に分けたのです。
これを「発送電分離」といいます。

するとこのような形になりました。
・電気を作る(発電部門)+電気を売る会社・・・大手の電力会社
・電気を電線で送る会社(送電線部門)・・・政府が許可した送配電会社(東京電力、関西電力といった子会社等)

では残りの「小売部門」はどうなったかというと、自前で小型の電力会社を作って売ったり、どこかの電力会社から電力を買い取ってそれを売る会社が出てきたのです。
・電気を作る(発電部門)または電気を調達+電気を売る会社・・・新規参入してきた電力会社

キャプチmャ


つまり発送電分離をしたことによって、大手電力会社の独占ではなく新規に様々な会社が参入できるようになったというわけです。
この新規参入してきた会社を「新電力」と呼んでいます。

新電力はお客様に低料金の電気を供給しようとしますし、それに負けずに大手電力会社も料金を下げたりといろいろ工夫するので、当然この2つはライバル関係という事になります。

一方、送電線部門にあたる会社というのは、大手電力会社、新電力から電気を買うのですが、基本的に従来と同じ送電線から安定的に電気の供給を行うのが目的ですから、別にどんな会社でも電気さえ売ってくれさえすればOKと言う立場にあります。
(こちらは停電などしてしまうと皆さん困りますから、政府が許可した会社のみで行っているのです。)

この関係が分かったところで本題に入りましょう。

発電部門の会社と送電線部門の会社は電気事業法という法律で、切り離すことが求められています。
この2つが一緒になったら発送電分離した意味がないですからね。

送配電会社は基本的には大手の傘下の子会社(子会社と言っても別会社という事でとらえていただきたいです。)が行っているんですが、電力を作る電力会社と電気を送る送配電会社とは、癒着があったり顧客情報を共有する事は禁止されています。(基本的に別会社という事ですから)

この禁忌を破ったのが関西電力です。

大手の傘下にある送配電会社というのは電気を送る都合上、新電力の顧客情報も知る立場にあります。
だから関西電力は子会社である送配電会社にある新電力の顧客情報を閲覧して、そういった顧客に営業(主にオール電化を売り込むためらしいです。)をかけた・・・と言うわけなんです。

その数、4万件。
社員ら1000人ぐらいが閲覧したことが確認されています。
それで問題となって、謝罪をしているというわけですね。

これが今回のニュースですね。

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ブログ管理人:大佐
大佐
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2023/02/01(水) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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