アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が1日、政策金利を0・25%引き上げると決めました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
政策金利とはそもそもいったいなんでしょうか。
日本の中央銀行(日銀)の役割はもう知っていますかね。
一旦復習しましょう。
●日銀は巷にある銀行の為の銀行です。
私達が巷の銀行に預けたお金を、さらに日銀が預かったり、逆に巷にある銀行に日銀が利子を付けて貸したりしてます。
→巷にある銀行はそこにさらに利子を付けて民間の人や企業に貸し出したりするのです。
●紙幣の発行
お札を見るとわかりますが、「日本銀行券」と小さく書かれています。紙幣は日銀が発行してるのです。
●政府の銀行
国民から預かった税金を公務員の給料や公共事業(道路作ったり、橋を作ったり)に当てています。
日銀には「物価の安定」と「持続的に経済を成長させる」と言う目的がありますが、
この目的の下で様々な「金融政策」を行うわけです。今の様に物価が上がりすぎているのを抑えようとしたり、過度な円安・円高を抑えようとしたり、中央銀行がコントロールをするってわけですね。
日本では日本中央銀行と呼びますが、アメリカだと連邦準備制度(The Federal Reserve System:FRS)と言います。
FED(フェド)という略称で呼んだりもします。日本で日銀と呼んでいるのと同じ感じですかね。
あれ、でも冒頭ではFRSが政策金利の事を言っているのではなくて「連邦準備制度理事会(FRB)が~」と言ってるけど何で?
と思った方もいるかもしれません。
日本の中央銀行とアメリカの中央銀行はちょっと違っていて複雑です。
そもそも日銀は「BANK」とついているのに、アメリカでは制度「System」なんて言葉がついています。
アメリカにはシカゴ、サンフランシスコといった州に12の連邦準備銀行(紙幣や硬貨の発行といった中央銀行と同じ業務を行う銀行です。)があります。アメリカは広いですし州の権限も強いので権力を分散させる上でも必要だったのです。
これをFederal Reserve Banksと書いて「FRB」と呼びます。
連邦準備制度理事会(FRB)と同じ「FRB」となってしまうのですが、慣習的にFRBというと連邦準備銀行ではなく連邦準備制度理事会の方を指します。
連邦準備制度理事会(FRB)はこの12ある連邦準備銀行を統括して、かつ連邦準備制度(FRS)の最高意思決定機関となっていますので、こちらが政策金利の発表をしているわけですね。
では政策金利を0・25%引き上げたというのはなんでしょう。
0.25%という数字は無視して、「金利を引き上げた」という言葉に注目しましょう。
基本的に景気が悪いときは金利を下げます。
なぜなら金利が低ければローンを組むにも金利が低ければ借りやすいですし、企業が銀行からお金を借りて様々な事をするようになり、市場にお金が回るようになるからです。
逆に景気がいい時は金利を上げればローンを組む人が少なくなり、企業はお金を借りなくなります。
じゃあアメリカは景気がいいの?
と思うかもしれませんが、確かにコロナ渦から景気は回復してきてはいますが、金利を上げた理由はそうではありません。
インフレ抑制のために金利を上げてるのです。
インフレはお金の価値が下がってモノの価値が上がることですね。
アメリカでは給与も上がってますが物価も非常に上がっています。
金利を上げれば市場にお金が回らなくなってくるので、消費者がモノを購入しなくなります。
モノを購入しなくなれば、自然とモノを安く売ろうという心理が働くので金利を上げるわけです。
1月に発表された22年12月の消費者物価指(モノやサービスなどの物価の動きを把握するための指標)は前年同月比に比べて6・5%上昇しています。
ただし少しづつ鈍化して下がって来てはいます。
これが今回のニュースですね。
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2023/02/02(木) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)