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ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんらが発明したリチウムイオン電池の仕組みについて分かりやすく解説して下さい



今年のノーベル化学賞をリチウムイオン電池を発明したジョン・グッドイナフ米テキサス大学教授(97)、スタンリー・ウィッティンガム米ニューヨーク州立大学特別教授(77)、吉野彰旭化成名誉フェロー(71)の3人に授賞しました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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ノーベル賞は6つの分野に分かれています。
●化学賞
●生理学・医学賞
●文学賞
●物理学賞
●平和賞
●文学賞
●経済学賞

ノーベル賞はダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて設立された賞です。

ただ、経済学賞だけは正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」と言いまして別です。

スウェーデン国立銀行が創立300周年を記念してノーベル財団に寄付したことがノーベル経済学賞の始まりです。

電池は18世紀後半に発明されたとされていますが、2000年以上前にイラクのバグダッド郊外にあるホイヤットラブヤ遺跡で、電池としての用途ではなかったようですが、仕組みは電池と同じモノが発掘されています。

電池の仕組みはこんな感じです。
電解液(食塩水や希硫酸など)に亜鉛板と銅板の板を入れると、亜鉛板の原子が溶け出して電子が出ます。

銅板からは原子が溶けず、銅は+に亜鉛は−となり銅板と亜鉛板を導線で繋ぐと電気が流れます。

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もしかしたら小学校の実験で行ったかもしれませんね。これがイタリア人のボルタが発明したボルタ電池です。

電池はその後様々な改良がされまして沢山の種類が出て用途も様々です。

●マンガン電池・・昔からよくある電池です。小さな電力で長い時間使ったり、短い時間で大きな電力を時々使う時に使用します。

例:時計、ガスコンロの点火

●アルカリ電池・・大きな電力を継続して使う時に使用します。

例:ビデオカメラ、ラジコンの様にモーターを使用するオモチャ

用途に合わせて電池も作られているので、何の電池でもいいってわけではないんですね。

そんな中、革命的な電池を発明したのが吉野彰さんらで「リチウムイオン電池」です。

リチウムイオン電池の特徴は軽い上に高電圧(電圧が3.7Vくらい。普通は1.2〜1.5Vくらい)を維持できます。

先程例に出たマンガン電池やアルカリ電池は「一次電池」と言うのに対し、リチウムイオン電池は「二次電池」と言います。

一次電池は充電を行えず、一回しか使えません。
二次電池は充電が出来て繰り返して使用できます。(大体500回くらい繰り返して使えます。)

充電ができるとできない違いは一体何か?
非常に難しい話なのですが続けましょう。

ボルタ電池も一次電池なのですが、これを例に話していきます。

ボルタ電池は電解液の中に銅板と亜鉛板を入れて電気を作りましたね。

しかし、ボルタ電池の場合、電気を流していくとマイナス(-)極として使用していた亜鉛板はどんどん電解液に溶け出してしまいます。

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何故なら銅板(プラス(+)極)はイオン(+)が溶けにくい金属、亜鉛板(マイナス(-)極)はイオン(+)が溶けやすい金属だからです。

イオンというのは原子が電気を帯びたものを言います。プラス(+)の電気を帯びたものを陽イオン、マイナス(-)の電気を帯びたものを陰イオンといいます。

イオンとくっついていた電子(-)がマイナス極からプラス極に移動してくっつくイメージです。

だから亜鉛板が全て溶けてしまい、銅板は金属が錆びた様になってしまって使えなくなると言うわけです。

では繰り返し使えるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

はい、マイナス(-)極からプラス(+)極へイオンが移動していたので、プラス(+)極からマイナス(-)極へもイオンが移動できればいいわけですね。

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リチウムイオン電池の場合はメーカーにもよるのですが、プラス(+)極に「コバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物」という物資を使います。

そしてマイナス(-)極には「グラファイトや黒鉛などの炭素材料」を使います。

放電する時はマイナス(-)極(炭素素材)からプラス(+)極(リチウム遷移金属酸化物)へイオンが移動させます。

そして充電する時はプラス(+)極からマイナス(-)極へイオンを移動させるのです。

こうすればボルタ電池の様に一方向通行ではなく、イオンが行き来できるわけですね。

所で何でリチウムが使われているかと言いますと、リチウムは金属の中で一番軽くて小さいからです。

小さくて軽ければそれだけコンパクトなリチウムイオン電池が作れます。

リチウムはイオン化傾向が非常に高いという特徴があります。わかりやすくいうと化学反応が起こり易いのです。

例えばリチウムを燃焼させるとやたらと燃えます。
空気中に置いておくと空気中に含まれる水分を使って反応が始まります。

化学反応が凄いという事はそれだけ高いエネルギーが発生する物質ですから、他の電池よりも高い電圧で放電できるわけです。

ただ、高いエネルギーが発生するというのは危険性もありますね。携帯電話が激しく燃える動画を見た方もいるかもしれません。

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あれはリチウムイオン電池が燃えているわけですが、間違った使い方や粗悪なリチウムイオン電池を使うとあのような状態になってしまいます。

でも安心して下さい。
ちゃんとしたリチウムイオン電池には安全対策がしっかりとしてあって滅多に燃える事はありません。

またリチウムイオンにはメモリー効果の発生がしにくいのが非常に良い面ですね。

もしかしたら「充電したらしっかり使い切ってから充電しないと電池の寿命が縮まる」と言う事を聞いた事があるかもしれません。

これは事実です。

メモリー効果と言うのはニカド電池やニッケル水素電池によく起こる現象です。

電池の残量がまだ残った状態で充電を何度もくり返してしまうと電池が「ちょっとだけしか放電しない体質」へと記憶してしまうのです。

こうなると充電して使ってもすぐに電池がなくなってしまうのです。

しかしリチウムイオン電池にはメモリー効果がほとんどありません。

だから携帯電話の電池を全て使い切ってから充電する事は必要なく、電池残量があるまま充電しても問題がないのです。

リチウムイオン電池は今も進化しており今後も私達の生活を支えてくれそうです。

これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
趣味は家の掃除からバイクまで幅広く。 当ブログの更新や若い方中心にニュースをわかりやすく解説しています。 広告主募集中!▶︎こちらからご連絡をお願い致します。

2019/10/19(土) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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